おかえり
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
テマリがあわただしく入ってきた
テマ「――…どういうことだ瑞乃!!
私は聞いていないぞ!!」
『テマリが国境警備に就いた後に戻ったの
許可は火影様に取ってある
……何かあったの?』
少し声のトーンを落として聞いてみた。もしかして、我愛羅に何か……
そう思った
テマ「――――……瑞乃!私達も我愛羅のもとへ向かうぞ!!」
『……え?!
あの堅物上役どもが許可したの?!』
テマ「………お前、さりげなく酷いな……ι
………とにかく、カンクロウは行くといって聞かないんだ
アイツが万が一倒れたりしたら大変だし、お前に付いてきてもらいたい!
………もちろん行くだろう?」
にこりと笑いながら話すテマリ、彼女のその笑顔に
我愛羅は無事だと、根拠もない自信が湧いた
『………もちろん!
私も一応チームメイトだったからね!』
テマ「一応とはなんだ
………まぁいい、早く行くぞ!準備しろ!」
『はい!』
テマリを先頭に、カンクロウらと共に出発した
病み上がりのカンクロウの隣を並走しながら、テマリをちらりと見る
『……。(…テマリ飛ばしてるなー……。そんなスピードについていけるの、私とカンクロウくらいなんじゃ…)』
カン「瑞乃…」
眉をひそめてテマリの後ろ姿を見ていたら、カンクロウが小声で話し掛けてきた。おそらく同じことを思っているんだろう
ちらりと後ろを見ると、少しつらそうな表情を浮かべながら必死についてきていた
『――…テマリ!』
テマ「なんだ?!」
カン「飛ばしすぎじゃん?」
後ろを振り向かずに返事をするテマリに飛ばしすぎを指摘すると、彼女は少し視線をこちらに向けた
『……焦るのは分かる、でもこのまま飛ばしすぎるといざというときに困るでしょ?』
テマ「………。」
『我愛羅ならナルト君達に任せよう?大丈夫だから…』
カン「ここらで休憩といこうじゃん?」
テマ「………すまない…」
『――…うん、特に異常なし
でも無理はしないでよ』
カン「分かってるじゃん?瑞乃は怒ると恐いからなー」
『だったら怒らせないでよね
―――――………テマリ!』
テマ「あぁ!
――行くぞ!!」
「「「「はい!!」」」」
――――――
カン「―――……!!
我愛羅っ!!!」
『――…!!
(サクラにナルト君にカカシさん……あとは火影様のとこで会った方々か…)』
広い原っぱに人だかりを見つけたカンクロウが大声を上げ、みんながその場所を注視した
ナルト君とチヨばあ様は膝をつき、誰かを覗き込んでいる
『………我愛羅……?』
我愛羅が、二人の間で横になっていた
その顔に生気は感じられない
『………死んでるの……?』
テマ・カン「「!!」」
徐々に近付き、はっきりと分かった
我愛羅は
すでに息絶えている
私の呟きを聞いて、みんなのスピードが上がった
まだ彼らまで距離がある
―――ブゥゥゥゥゥン…――
チヨばあ様が、我愛羅に手をあて
医療忍術を施し始めた
―――これは、ワシが開発した禁術じゃ。今はワシしか使えぬ
そこでじゃ瑞乃、お主にこの術を伝授する――
いつだかチヨばあ様が仰っていた言葉が頭をよぎる
『……。
(……我愛羅を、生き返らせるんだね?)』
ナル「――――……俺のチャクラも使ってくれ!!」
やっと着いた
それと同時に、ナルト君の必死な声が聞こえた
貴方は…、そこまで我愛羅を思ってくれるんだね…
目頭が熱くなり、胸が暖かくなる
だが、そのままチヨばあ様に続けさせるワケにはいかない
『チヨばあ様……、私に替わってください』
サク「?!
瑞乃何を――…『あなたが死ぬ必要なんて無い』―瑞乃っ!!」
サクラが腕を掴む、テマリやカンクロウは状況が分かっていないようだ
ちらりとサクラやナルト君やカカシさんを見ると、みんな不安そうな顔をして私を見つめていた
チヨ「………木の葉に行ってから、ずいぶんと言うようになったの…
なめくじ姫の影響か?」
『正しくは、その弟子達の影響ですね』
サクラを見れば、彼女は苦笑いを浮かべた
チヨ「…お前に替わってもらう程老いぼれとらんわ」
『年齢ではありません、私はあなたに死んでほしくないんです』
カン「…おい瑞乃、さっきから何の話を…」
テマ「……。」
カンクロウやテマリなどの砂忍が、私とチヨばあ様を交互に見る
カカシさん達は先ほどから顔色が変わらないから、おそらく知っているんだろう
――ブゥゥゥゥゥン…―
チヨばあ様は一向に手を止める気配はない。でも、明らかに先ほどより疲弊しているのは分かる
ナルト君は何度も私とチヨばあ様の顔を見比べた
『………その術は…
術者の命を引き替えに
死者を生き返らせる』
「「「「「!!!!」」」」」
砂忍達は息を呑んだ
テマ「チヨばあ様……」
チヨ「……。」
『……もう止めてください…
私が替わります…』
カン「?!
何言ってんだ瑞乃!!
そしたらお前が…っ」
カンクロウとテマリも私の腕を掴んだ
『………目の前で人が死ぬなんて…
私は耐えられない…』
「「「「………。」」」」
瑞乃の顔色は伺えなかったが、肩が震えているのはすぐ分かった
チヨ「………ふん…
死を嫌う…ところ、は…
変わっとらんの…」
サク「!!」
ナル「ばあちゃん!!」
チヨばあ様の体がぐらりと揺れる。咄嗟に受け止めようとしたが、彼女は持ち堪えた
すでに顔色は悪く、息も荒い
『………もうっ…止めてください…!!
チヨばあ様…っ!!』
頬を、何かが伝った
何か、なんてすぐ分かるけど
チヨ「………瑞乃…、ワシの最後の言葉じゃ…。心して聞け…」
『……!!』
ゆっくりと顔を上げると、弱々しいチヨばあ様の瞳と交わった
チヨ「長ったらしい話は嫌いでの…、手短に話すぞ……」
もう長く無さそうじゃ、と小さく呟き我愛羅を見た
ナル「……!
我愛羅の顔色が…!!」
『………我愛羅…』
我愛羅の顔には生気が戻り
きっと、あと少しで生き返る
『……チヨばあ様…』
涙を拭い、チヨばあ様を真っ直ぐ見つめる
もう、覚悟しなければならない
チヨ「…………、瑞乃…
これからの砂の医療は、お前が担っていくのだぞ…
いつまでも…班長になりたくないなどと、わがままを言うんじゃないぞ…」
『………はい…』
涙がまた流れそうになるのを必死に耐えながら返事をすると、チヨばあ様はゆるりと笑った
チヨ「………ワシは良い弟子を持ったの…」
『………!!
…師匠……っ!』
テマ・カン「「チヨばあ!!」」
サク「チヨばあ様!!」
ナル「ばあちゃんっ!!!」
チヨばあ様が
息を引き取った
―――――――
――…我愛羅!おい我愛羅!―
誰だ……
俺の名を呼ぶのは……
真っ白な空間の中、我愛羅は自分の名を何度も呼ぶ声が聞こえた
そして
誰かの………いや、ナルトの手が肩に触れるのを感じたとき
視界が変わった
――――――
ナル「――…我愛羅!!!」
我「………ナルトか…?
――――……!!
これは……」
まわりを見渡せば、数えきれないほどの砂忍達が我愛羅を見つめ
そして
「「「風影様が生き返ったぞ―――!!!!!!」」」
わ――――っ!!!!
と砂忍達が盛り上がり、所々では胴上げをしている者もいる
テマ「我愛羅、気分はどうだ?」
我「!
なんともない…」
テマリがナルトを押し退け、具合を尋ねる
それに返答しながらちらりとテマリの後ろを見た
我「瑞乃…?」
瑞乃がチヨばあを抱きかかえ、涙を流していた
『………おかえり、風影様』
涙を流しながら小さく微笑んだ
―――――――
我「本当に世話になった」
テマ「もう少し砂にいたらどうだ?
その体で木の葉に戻るのは大変だろう」
テマリがちらりとカカシさんを見ながら声を掛けると、カカシさんは苦笑いを浮かべながら
ガイという方に肩を借りながら答えた
カカ「そうしたいのは山々なんだけど、早く報告しないといけないからね
――…でもいいの?瑞乃
俺達に合わせて木の葉に戻る必要なんて無いよ?」
『……いいんです。後の事はテマリ達に任せます
私も砂の使者として木の葉でやらなきゃいけない事があると思いますから』
ふと木の葉の顔ぶれを見ると、サクラがいなかった
『サクラは?』
ナル「サクラちゃんならばあちゃんの墓に行ったってばよ!」
ナルト君が笑顔で返してくれたのにお礼を言い、サクラのもとへ向かった
みんなから少し離れ、新しく建ったばかりのチヨばあ様のお墓に向かう
そこにはサクラがいて、お墓をじっと見つめていた
『………サクラ』
サク「!
瑞乃……」
声をかけるとびくりと肩を揺らし、振り向いた
頬には涙の跡が残っていて、たった今まで泣いていたことが伺える
『……チヨばあ様はね、私に医療忍術を教えてくれた
師匠なの』
サク「そうだったのね…」
『……。
チヨばあ様…』
お墓の前に座り、ゆっくりと撫でる
『………わがまま言うなって言われちゃったなー…
頑張んないと』
サク「私も頑張るわ
行きましょ瑞乃、ナルト達が待ってる」
『うん
――…またね、チヨばあ様』
最後にもう一度撫で、サクラの後を追い掛ける
後ろを歩く瑞乃の目から
止めどなく涙が流れ落ちるのを
サクラは気付かないフリをしていた
ガイ「―――……さて、みんな揃ったな!!
では、青春フルパワーで木の葉に帰るぞ―――!!!!!!」
リー「はいっ!!」
『……………えぇと……』
テン「あぁ、あの二人なら放っておいていいわよ!」
ガイさんという方と
うちはサスケ奪還任務で会ったことがあるリーさんのテンションに困っていると、お団子頭の可愛らしい人が話し掛けてくれた
テン「あっ、私はテンテンよ!よろしく!」
『瑞乃です
初めまして…ですよね?』
ネジ「いいや、テンテンは俺とリーのチームメイトだ。中忍試験で会ってるハズだぞ」
『あ、日向さん。お久しぶりです』
日向さんもうちはサスケ奪還任務で会い、怪我の手当てなどで二年前によく話した
日向さんもリーさんも、私を覚えていてくれたようで嬉しい
そこからは
ナルト君、サクラ、なぜかガイさんにおぶられているカカシさん、日向さん、リーさん、テンテンさんで
和気あいあいと盛り上がりながら帰った
―――――――――
補足
瑞乃ちゃんはチヨばあ様に医療忍術を教わっていて、師匠大好きです
班長になりたがらない瑞乃ちゃんを心配しちゃってます
管理人も、チヨばあ様が何だかんだで好きです(笑)
.