同じ夢を見る

誰かが動いた気配がして目が覚めた。視線の先にいるのは服を着ている途中の彼。上半身はまだ裸の姿を覚醒しきらない頭の中見つめる。

なかなか見られない彼の着替える姿をボーっと見つめていた。

「あら?起こしちゃったかしら?」

そんな視線に気が付いたのか柳宿がこちらを見る。その仕草全てがかっこよくて、自然と体が動いていた。

「ちょ、ちょっと…」

「柳宿がかっこいい…」

思ったことをそのままに柳宿に抱きつく。

胸元に顔を摺り寄せ、更にこちらを上目に見て飛び切りの笑顔を見せる彼女の姿に頬がかぁと熱くなった。

「えへへ~。おはよ~」

(これは…破壊力が抜群ね…)

流石に何度も一緒に朝を迎えているからわかる。きっとこの後、彼女は大慌てで布団に潜り込むことになろうことを。

「あのね、抱きついてくれるのも嬉しいし、甘えてくれるのもとっても嬉しいの。だけど、服を着てくれるかしら…?」

「服…?」

柳宿の言葉に、パチパチと瞬きをすれば自身の姿に気付いたのか、「きゃあ」と言って彼女は布団へと帰っていった。

「ご、ごめん。柳宿、私寝ぼけてて…」

彼の言葉にやっと完全に覚醒した頭。なんということをしてしまったのか、恥ずかしさがこみあげてきて布団で体と顔を隠すので精一杯だった。

「良いのよ、あたしは嬉しいから。でも、朝からそれはさすがに我慢が出来そうにないわね」

クスリと笑って、彼女が恥じらい小さくなっている側に座った。彼女に服を渡して頬に軽く口付ける。自分にだけ見せてくれる彼女の仕草その一つ一つが嬉しい。

「えっとね、違うんだよ、いつもはちゃんと起きれてるし…1人の時はちゃんと起きて支度だって…」

「あたしといると安心するからだったかしら?」

いつかの時も彼女は寝ぼけて自分に抱きついたことがある。その時に聞いた。「柳宿の側だと安心していられるから」だと。彼女自身もそんな自分に驚いたようだったが、「柳宿は、ふしぎだね」なんていって笑っていた。


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