2人だけのクリスマスの日
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「あんたねえ…」
受話器の向こうで先ほどよりも盛大なため息が聞こえてきた。
「だって、夜天たちは仕事で忙しいじゃない。だからクリスマスの日にこだわってないよって意味だったんだけど…」
一人ぼっちのクリスマスに慣れていたから、大切な人がその日に仕事があることに慣れていたから、その日が特別になることがなかったから、だからその日じゃなくても一緒に過ごしてくれる日があるならそれでよかったのに。
「ったく、あんたたちはいっつもいっつも…」
これ以上にないというくらいの大きさのため息が受話器の向こうで聞こえる。
「…どうしよう…」
夜天に誤解をさせてしまったのなら申し訳ないと真珠は慌てる。しかし彼は生放送の収録中で連絡をする手段はない。
どうしようかと考える真珠に美奈子がこう告げた。
「行くわよ!!」
「え?」
「スリーライツが歌う場所は分かってるから、行くわよ!!」
受話器の向こうの声に頷いて真珠は玄関を飛び出した。
ブルルとポケットが震えた気がして大気はその中に入っているポケベルを取り出す。
『アイニイク』
短いけれど誰が送ってきたのかは一目瞭然だった。大気はポケベルをしまうとニコリと微笑んだ。
「さて、夜天も機嫌を戻しておいてくださいね。そろそろ準備に入らないといけませんから」
「…わかってるよ…」
大気が立ち上がり、それに続く星野。少し遅れて夜天も衣装などの準備をするために移動を始めた。
「ちょっと出遅れたわね…」
わらわらとスリーライツの出番目当ての女の子たちに揉まれながらなんとか自分たちの閲覧場所を確保した美奈子が呟いた。
「まさかこんなに人がいるなんて…」
みんな自宅でクリスマスをしているものだと思ったからここまでの人出だとは思っていなかった真珠。
「ほんと真珠ってこういうことには疎いんだから…」
はぁと本日何度目か分からないため息をつく美奈子。スリーライツのために用意されたテレビ局前の屋外ステージ。2人が着いたときにはもう女の子たちが集まり始めていて、大変な混雑だった。
美奈子に連れてきてもらえなかったらこの場所すら確保することなど出来なかったかもしれない。
彼らから視認できる位置かどうかは微妙なところであるが、自分からはしっかりと彼らの姿は見ることが出来るだろう。その時を今か今かと待った。