それぞれの戦い方
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「雨…?」
空を見上げる。願いを聞いてくれる星も、優しく光り夜道の道標となってくれる月も、黒い暗雲に隠されているのが分かる。
見上げた顔にぶつかる滴は次々とその数を増していく。手を広げその雫を真珠は受け止め、見つめた。その表情は丁度前髪がかかり夜天からは見えない。
「火球が風邪をひくわ。今日はここでお別れしましょう」
「…でも…!」
「あなたは、プリンセスを守る戦士なんだから…。あなたの都合で火球に風邪を引かせたらキンモク星の皆に顔向けできないわよ?」
真珠の言葉。確かにそうだ。自分は火球を守る戦士、プリンセスの事を第一優先に考えなければならないはず。なのに、どうしてこうも目の前の彼女の事が気になってしまう。
本当は手を伸ばして掴んで、抱き寄せて…。あの時別れた事を謝りたい。火球の手がかりを消されないように、代わりに敵の前立ったあの時、助けに行けなかった事を謝りたい。
彼女に言われた事、やっとわかったんだと伝えたい。あの時、真珠が止めてくれなかったらきっと自分は取り返しのつかない事をしていたかもしれない…。
伝えたいのに、雨の音がどんどん強くなってきて…。
「夜天も風邪引くわ…。アイドルが風邪引いて、鼻水垂らしてるのはかっこ悪いんじゃない?」
どうして、そう憎まれ口を叩くんだろう。
「僕は鼻水なんて垂らさないよ」
「クスクス。それは風邪を引いてみないと分からないわ」
そう、まるで君は僕の言いたい事を分かっているようで、僕にそれを言わせないように、気を使ってくれているみたいで…。
こんな風になってから君の優しさ、大切さが分かるなんて本当に馬鹿みたいだと思うんだ。
そして、そんな君のことを本気で、今まで以上に本気で守りたくて…。
「さあ、早く帰らないと本当に火球が風邪引くわよ。星野と大気がちゃんとどうにかしてくれていると思うけど…」
プリンセスには星野と大気がいるのに、君には誰がいるの…?
誰が君の事をこの雨から守ってくれる…?
君は僕の使命を、僕のプリンセスを守ってくれているのに…。
僕は君をここで守る事も出来ない…。
僕が君を雨から守るようにしたら君は言うんだろう…。
「あなたの守るべきはプリンセスでしょう?」って。だけど、守れない自分を見たくはないから…。
自分の上着を脱いで、君に被せた。