重なれない輝き
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(…ダメだ、こんなんじゃ、プリンセスに届くように歌わないと…)
会場を見渡してみると、いつも通りに自分にアピールしてくる女の子達の姿。本当に歌を聴いているなら、少しじっとしておけと思うのだが。一度通り過ぎた目線が1つぽっかりと空いた席に奪われた。
最前列の真ん中。ファンにとっては争いの場となるその席が、空いている。その空いた席の隣に座っていた女の子と目があった。
彼女も自分と目があったことに気付いたのか照れくさそうに視線を外した。今時珍しい女の子もいるもんだなと思う。
集中しなくてはと、この中にもしかしたらプリンセスの手がかりがあるかもしれないのだから。もう一度ゆっくりと会場を見渡す。キラリと輝くその星を見つけるのはすぐだった。
とても遠くの場所から静かに輝いているその光。その正体が分からないはずが無い…。だって、その光は自分がいつも求めていた輝きなのだから。
(…真珠…。見に来てたんだ…)
例えたくさんの女の子の中にいても、どんなに離れていても分かる。あれだけ求めていた大切な輝き。ただ、その方向だけを見つめて、歌い続けた。
夜天の声が少し変わった気がして真珠はハッと目を開ける。優しい彼の歌声。それは自分に向かっているようで…。
(夜天…気付いたの…?)
静かに問いかけてみた。
(…やっぱり真珠だ…、何しに来たの?)
(あなたに頬を叩いたことを謝りたかっただけ。火球宛の歌を邪魔してごめんね)
(別に…。たまたま、君の輝きを見つけただけだから)
(…ありがとう。それから、あの時頬を叩いてごめんなさい。だけど、うさぎちゃんは悪くないの…。私は自分で決めて月に帰ったから。星野もきっとうさぎちゃんを守りたい一心だったのよ)
そう、誰かを守りたいと思ったら考えるより先に行動する。それが人だから。
(ヒーラーも火球のためなら、飛び込んでいたんじゃない?星野にとって、火球や夜天達を大切に思う気持ち。うさぎちゃんに対してもそういう気持ちだったのよ)
(…そんなの…)
(話しはこれだけだから。火球にあなた達の歌が届くように祈っているわ。じゃあね…)
チカチカと真珠の輝きが遠ざかって行く。今の自分には遠ざかる輝きを止める術はない。ただ、離れて行く星をじっと見つめていた。
本当はもっと、たくさん色々なことを話して分かりあえたらよかったのだけれど…。二つの星の輝きは次の再会をどのような形で迎えるのか…。それは誰にも、星たちでさえも予想できなかった。