重なれない輝き
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
うさぎに電話をもらってメガロポリスにまで来たのは良いけれど、チケットは完売。コンサート会場に入る事は叶わなかった。
「…こんなところまで、引き裂かなくても良いじゃない…」
『完売しました』と札が立てかけられている窓口にぽそりとこぼした言葉。相手はあのスリーライツなのだ。チケットなんて販売して数分で売り切れたであろう。
付き人をしている時にもそれは十分実感したはずなのに。
「…一枚くらい奇跡的に余っているのを期待した私がばかだったわ…」
クルリと踵を反対に向け真珠は出口へと歩きだした。その時、前から歩いてくる女の子とぶつかってしまった。
「きゃっ…」
「ごめんなさい。考え事してたから…」
ぶつかった女の子に謝る。
「あ、いえ私も探し物をしていて…」
前をよく見ていなかった自分も悪いからとその女の子は微笑んだ。どうやら、彼女の探し物は公衆電話らしい。一緒にコンサートを見るはずの友達が時間になっても現れないので電話をしようと思っていたのだと。
真珠が通って来た場所に公衆電話が並んでいたのを思い出しそこまで案内してやる。
「あの、お礼しますから、電話終わるまで待っていてください」
お礼と言っても、コンサート開始時間まで時間はあまりない。自分はコンサート会場に入る事は出来ないし、コンサートが終わった後だと色々と迷惑になってしまうかもしれない。
彼女の友達が来ることが分かったら自分はこの場を去ろう。そう決めて真珠は電話が終わるのを待っていた。電話が終わったのだろうか、こちらに歩いてくる女の子。
しかしその表情は決して明るいものではなかった。
「急に家族で出かけることになったから行けないって…。チケット代どうするのよぉ。苦労して手に入れたのに…」
友達の分も一緒に買っておき、会場で落ちあい徴収する予定だったのだろう。コンサートを見に来る女の子達の中ではよくあることだ。
「だったら、そのチケット私が買い取るわ」
真珠の言葉に目を輝かせてその少女は振り返る。
「で、でも…。公衆電話とか、迷惑かけて…」
「さっき言っていたお礼は私にチケット譲るってことでどうかしら?今日のチケット出遅れたみたいで買えなかったから」
ちょうど良いでしょう?とにっこりと笑うと少女は真珠にチケットを渡してくれた。開始時間までもう時間が無いと言うことで2人は急いで中に入って行った。
「私はここで見ているから。チケットどうもありがとう」
「えっ、でもせっかく最前列の真中…」
「私が最前列にいると怒る人がいるから」
首を傾げる女の子にもう一度お礼を言い、真珠は一番後ろの出入り口付近で手を振った。