重なれない輝き
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「…プリンセスを守れるのかな…、私…」
自分のクリスタルを机の上で転がす。それは夕陽に照らされて輝いていた。自分に戦士として目覚めが来れば、銀河テレビに乗り込む事は可能なのに、生身の状態で行ったところできっと何も出来ない。
紅茶を飲みほし、ため息を1つ落とした時、目の前に紅い蝶が現れたのだ。
「えっ…。窓開けてないのに…どこから…」
部屋を飛び回るその蝶を捕まえて外に逃がしてやろうと思い追いかける。蝶が羽を羽ばたかせるたびに微かな憶えのある香りが辺りに漂う。
「…火球?」
蝶が廊下に出て行き、電話機に止まる。それに触れようとした時その蝶はその場から弾けて消えた。
「…えっ、あれ、消えちゃった…?」
きょろきょろと辺りを見るが蝶はどこにも見えない。気のせいかと思いリビングに戻ろうと思った時、その電話機のランプが光り、音を鳴らした。
一瞬その音に体をビクつかせるが、受話器を上げる。
「もしもし…?」
「…真珠ちゃん?」
受話器から聞こえてきた声は先ほど別れたうさぎの声。
「…どうしたの?」
はるか達に近付くなと言われて別れたはずだが、何か伝え忘れたことでもあったのだろうか?
「さっきね…。星野から電話かかって来たの…」
「そう」
「…今日メガロポリスでスリーライツのコンサートあるんだって…、だからね、あの夜天君と…」
美奈子達が説明したのだろう。真珠がスリーライツの付き人を解雇されたことを。それで心配して電話をくれたのだと思った。
ならばうさぎの口から出る言葉はもうわかっている。
「あのね、い…」
「うさぎちゃん。はるかにもうあなたに近付くなって言われてるから。一緒に行く事は出来ないよ…」
だから、うさぎがその言葉を言うよりも早く真珠は断った。そう、もう近付くことは出来ない。今のままでは星の光を重ね合わせて輝かせることは出来ないのだから。
「でも、やて…!!」
「ごめんね、今、私…夕ご飯作ってるから…」
「あっ、真珠ちゃん!!」
うさぎの言葉を聞き終えずに真珠は受話器を下ろした。
「…会いになんて…行けるわけないじゃない…」
『真珠、申し訳ないですが…。この先、付き人としてのお仕事をしていただくわけにはいきません…。この意味は分かりますよね?』
大気に言われたこと。自分が言ったのだ、今の夜天達とは行動できないと。でも…。
(…頬を叩いた事は謝りたい…)
じっと受話器の前で考え込む。優しい金木犀の香りがしたと思ったら真珠は家を飛び出していた。