神子を知る者と神子の記憶
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「さっきから我慢してるのバレバレよ。軫宿、よろしく頼むわね」
「ああ、わかっている」
そう言って軫宿が手をかざすと、あたたかい光が緋連を包み込んだ。みるみるうちに緋連の体についた傷は治り、背中の痛みも、肩の痛みも全て消えた。
「…治った…」
「なに不思議そうな顔してんねん?軫宿の力つこてんから、当たり前やろが」
軫宿の治癒力を受けて治らないはずがないだろうと翼宿が言うがそれに返事はせずに緋連は自分の体を見つめていた。
「さて、次は柳宿だな…。傷の具合をみせてもらおう」
緋連の傷を治すのに力を使ったので、柳宿の傷と、魏達の擦り傷などは軫宿が手当てをしてくれた。手当もひと段落したところで軫宿たちを襲った風のことや、今日の昼間に襲ってきたアイツのことの情報を交換する。
軫宿たちが見たものは今日の昼間襲ってきたアイツで間違いないであろうということが分かった。
「神子のことを知っている風だったのだ。何か緋連はわかることがあるのだ?」
「…わからない…。昔の記憶を辿ってみているけど…あいつの姿は見当たらない…」
玄武の時の記憶、白虎の時の記憶いずれを探してみてもまだあいつの姿を見ることは叶わない。そして、何より七星士たちの姿が欠けていく、記憶がばらばらになって散っていく。これも朱雀が力を切り離した影響なのだろうか…。
(力だけじゃなくて、記憶まで奪っていこうとしないでよ…)
悔しい、何も出来ない自分が。そして何より、大切な、大切な神子の記憶を忘れてしまうかもしれないことが。
(玄武七星士のことも白虎七星士のことも忘れたくないよ…)
ギュッと握りしめた拳にポタリと落ちた滴。誰にも気が付かれないようにそっと拭った。
「…もしかしたら、いや、だが…」
何かに気付いたのか星宿が言葉を発する。何か気が付いたことがあるのかと皆が星宿の次の言葉を待った。
「私が幼き時に神子のことを語った者に似ている気がするのだが…」
だが、あの時と何ら変わらぬ姿なのはおかしいと続ける。それに、神子のことを語った者との出会いは教えてくれた時だけだった。その日以降その人の姿は見ていない。
「いや、私が忘れていたからか…。緋連に会うまで神子のことを語られたことも忘れていたのだから」
そう、緋連が2年前に現れたその時に神子のことを聞いたことも神子のことを語った人がいたことも思い出したのだ。
だがそのことを思い出した後もその人は自分の臣下の中にも宮殿で働いている人の中にもいなかった。もしもその人が、昼間襲ってきたアイツなのだとしたら一体今まで何をしていたというのだろうか。