神子を知る者と神子の記憶
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「まあ、これから新しい関係を築いていけばいいわね…。もしかしたら何かのきっかけで思い出すこともあるかもしれないし…」
自分の兄が緋連の婚礼衣装に触れた時に思い出すことが出来たように、石の記憶が緋連のことを覚えているかもしれないから。
「なんかオレ中途半端だな…。記憶をこっちに置いてきちまうし。仲間のこともしっかりと覚えてないなんて…」
「なぁに言ってんの!!」
バシッと柳宿が魏の背中を叩けば、彼は地面へとめり込んだ。
「柳宿、お前な…」
「あらやだ、ごめんなさいね~」
そう言いながら魏の手を取り、立つのを手伝った。
「仲間の記憶も自分の記憶も置いてきてもいいぐらい美朱と一緒にいたかったってことじゃない!」
「柳宿…」
「緋連のことを覚えてないって聞いたときは殴ってやろうかと思ったけどね~」
なんて軽く笑う柳宿。
「だけどあたしもたまちゃん殴る権利なんてないんだわ」
自分だって緋連の記憶は曖昧で、結局彼女が目の前に現れてくれるまで確実な記憶がなかったのだから。
「それに、石取り戻したら記憶も戻るんだから、それでいいじゃない」
「そうだな…」
そのためにも早く全ての石を手に入れなくてはとグッと拳を握った。
「すまない、待たせてしまったな」
鳳綺と芒辰の警護に宮殿内の安全確保、そして公務を終えた星宿が顔を見せた。皆で連れ立って星宿と柳宿の石がある場所へと向かう。
「じゃあ、結界を解くよ…」
井宿と緋連が魏に確認を取る。魏は石の前に立ち、頷いた。まずは一つ、星宿の石を手に取る。その石は砕け魏の中に忘れていた記憶が蘇ってくる。
「そうだ、オレどうして忘れてたんだ…。」
倶東国で仕掛けられた蟲毒を打ち破ったあの瞬間が蘇ってくる。だけどその中に緋連はいなかった。
「あとは、柳宿の石…っ…!?」
魏がもう一つの石に手を伸ばした時、風が宮殿の扉を吹き飛ばし、魏を狙って吹いてきた。
「風…っ!?」
魏をかばって緋連がその風を受ける。風は緋連の服を裂き、傷をつけた。
「緋連!」
「大丈夫、掠めただけだから…」
この程度の怪我ですら今は力を使って治すことは難しい。残りの朱雀の力は考えて使わないと、大事な時に護れないかもしれない。血が流れるその場所を抑え、風が吹いてきた場所を見つめた。