神子を知る者と神子の記憶
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「お前ら!イチャつくなら部屋にいけや!!」
目の前の雰囲気に我慢できなくなった翼宿が叫んだ。
「もう、柳宿離れて、今は魏の石を取り戻さないと…」
「わかってるわよ」
「わかってないでしょう…」
結界で護っているのなら大丈夫だろうと、それにどちらにしろ星宿が公務を終わらせてこちらに来るまでは何も出来ないのだから。
もし何かが狙ってくるのなら結界を解いて魏が石を手に入れるときだろうと考えていた。だから、戦力を出来るだけ万全にしておきたい。
「そう言えば、聞きたかったんだけど、美朱のその制服…!」
柳宿を引き剥がして緋連は美朱の来ている服に触れる。この世界では2年前に一緒に降り立った時とは違う制服に身を包んでいる美朱の姿。
「あ、これ、四ツ葉台の制服だよ!」
「やっぱりそうだよね!美朱高校に合格したんだ!おめでとう!」
あの冒険の時にはどうなることかと思っていた高校受験もどうやらうまくいったようで緋連はほっと胸をなでおろした。
「緋連やみんなのおかげだよ」
そう言って手を取ってくれる美朱。緋連もしっかりとその手を握り締めた。あの時に夢見ていた美朱と唯と一緒に高校に行くということ。自分はもう叶えられないけれど、美朱がそれを叶えてくれたことが嬉しかった。
「ねえ美朱、向こうの世界で私の存在ってどうなってる…?」
もう一つ気になっていたこと。こちらの世界から消えた自分は美朱たちの世界ではどのようになっているのか。紅南国での2年間は柳宿たちに聞いた。
みんな緋連の記憶は残っていたがそれでも、あの時撮った写真や鳳綺に宛てた手紙からは緋連のことが消えていたことを。
「…唯ちゃんも、お兄ちゃんも、それから哲也さんってお兄ちゃんの友達は緋連のこと覚えているよ」
「おばさんは…?」
緋連の言葉に美朱は首を振った。
「そう、そうだよね…」
「それにね、写真…。唯ちゃんと一緒に3人で撮ったのあるでしょう?」
小学校から一緒に過ごしていた親友だからたくさん写真もあるはずだった。だけど、写真は最後の戦いの前に緋連が消えたあの時のまま、写真から消えたままなのだ。
「学校の集合写真にも、旅行に行った時の写真にもどこにも緋連は写ってなかった…」
唯と兄の圭介の中には確かに一緒に過ごした思い出があるのに、その思い出を示すものは一つもないのだ。