秘め事の連鎖
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「…よかった…」
力を使い果たした緋連は体中の力が抜ける。それを井宿が支えてくれた。
「今の私じゃあんな敵すら倒すのも一苦労ね…」
「仕方ないのだ…」
駆けてくる柳宿に緋連を任せ、井宿は石の元へと向かった。どうやら結界は無事に働いてくれているようでこのままでも大丈夫だと。
「とりあえず、一安心…っと」
ふらつく緋連の体。
「大丈夫?」
支えてくれる柳宿に微笑む緋連。
「とにかく、みんな無事でよかった…」
力が足りなくて護りきれる自信がなかったから皆が無事でいることに安心した。
「後は我々が引き受けよう…」
腐り落ちた部屋のこともある。井宿も今のところ怪しい気配はないと言ってくれたので部屋へと帰る緋連達。柳宿に支えられながら緋連は寝台へと腰かけた。
「やっぱり石狙ってきたね…」
ギュッと拳を握る。わかっていたが今日の戦闘で自分の力が以前よりも足りないことを実感した。何よりあんなものに手こずった自分が情けない。
それに今日の戦闘で使ってしまった力。次の戦闘が始まる前に少しでも補充をしておかないといけない。
「…ほんと、ややこしい存在…」
口から漏れてしまったその言葉に柳宿が反応しないはずがない。何のことかと聞いてくる彼に誤魔化すやり取りが繰り返される。
「ちょっと、敵のこと考えてた、えへへ」
なんて笑う緋連。彼女が話してくれるまで待つと決めたが、気にならないわけではない。また心の中でモヤモヤが広がっていく。
(結局、言えないんだな私は…)
戦闘が始まる前に彼に言おうと思ったのに、自分の存在の曖昧さが明るみに出たとたん怖くなってしまった。彼が受け入れてくれないとかそんな心配をしているわけじゃない。
怖いのは自分の存在の曖昧さが彼にかけることになるであろう負担の大きさ。その全てが怖い。
「ごめんね井宿も疲れているのに…」
柳宿が部屋に帰った後緋連は井宿を自室へと招き入れる。
「オイラは構わないのだ…」
井宿を呼んだのは気を分けてもらうため。明日になっては柳宿を誤魔化すことは出来ないかもしれない。
「っ…」
井宿の字が出るその場所に気を集中させてもらう。そっと口付ければ、緋連の中に朱雀の気が溢れてくる。だけど今日使った分の力を全て補うことは出来なかった。
「やっぱりこの体、役に立たないな…」
パタンと音がして井宿が部屋を出ていった。
「どういうこと…?」
「こんなに近くにいるキミの気に気が付かないくらい神子の力が弱っているということなのだ」
「…っ…」
井宿が部屋の前で待っておけというから待っていたが、まさかそれがこんなことだったなんて。柳宿は扉の向こうの緋連を見つめる。
「神子が存在するためにはオイラたち、朱雀七星士の気が必要だと言っていたのだ」
「だから最近あんたたちよく一緒にいたのね…」
これで合点がいった。そしてそれを隠そうとした彼女の想いも理解した。