秘め事の連鎖
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バン!
大きな音を立てて緋連は部屋へと飛び込む。きっと井宿も感じているはず。あの感じは誰かがこの部屋に保管されている石に触ろうとしたときに発動した結界の波動。
だけど肝心のその相手がいない。ここに来るまですれ違った者もいない。ならば入れ違いになったのか。部屋を見回しても怪しい感じはなかった。一歩一歩警戒を解かずに石に近づく。
どうやらちゃんと結界が守ってくれたようで、二つの石はしっかりとその場にあった。
「…っ!!」
安心したその瞬間、緋連の後ろから何かが来る気配を感じて飛びのいた。さすがに避けきれず腕をかすめた。
「…魔神…?それとも妖怪…?」
全く気配を感じなかったということはどこかに隠れていたのだろうか、気配を完全に消すことが出来るモノなのだろうか。それとも、自分の力が弱っている証なのだろうか。
「本当、やだな…。力あんまり使いたくないのに…」
タンと飛び上がり、ウネウネと触手を伸ばし扉の前で蠢いている大きな塊を蹴り飛ばした。ドシンと音を立てて倒れる敵。それでも周りをウネウネと動く触手は部屋の中の石を狙ってきていた。
「ちょ、ちょっと何よあれ!!」
バタバタと音がしたと思ったら、柳宿をはじめこの宮殿にいる七星士が駆けつける。
「井宿!」
「わかっているのだ!石を狙っているのだ!」
井宿が印を結ぶと散る触手たち。ぼたぼたと落ちたそのから出た液体が床に壁に飛び散りその場を腐らせていく。
「陛下!!」
バタバタと宮殿の兵士たちが走って来るのが見える。その方向に触手が動いた。
「っ…!!」
触手が兵士たちを襲おうと先ほどの液体を噴き出そうとした時だった。緋連が間一髪で護りを張りなんとか難を逃れる兵士たち。
「神子様!!」
かすめた場所が軽く腐りだす。
「私は大丈夫。それよりここには誰も近づけないで!それから鳳綺さんたちの所の護りをお願いします!!」
緋連の言葉に兵士たちが鳳綺と芒辰の元へと走り出す。
「緋連!!あんた腕!!」
柳宿が駆けてきて緋連の腕を取る。
「大丈夫、これくらいなら…」
少しだけ力をこめれば朱い光によって治るその場所。だけど何度も使えるモノではない。力は無限ではなく有限だから。
「烈火神焔!!」
翼宿がハリセンを振り下ろせば、触手たちが燃えていく。だが本体から何度も何度も復活する触手たち。
「キリがあらへん!!」
襲い来る触手を燃やす翼宿、神剣で切り倒す星宿。
「本体に、攻撃をしないと意味ないみたいね…」
井宿と顔を見合わせて頷く。
「オイラと緋連で本体に攻撃をするのだ!みんなは触手を頼むのだ!」
2人が本体へと近づけるように触手を攻撃する。柳宿も触手を掴み引きちぎって数を減らす。
「井宿!!」
タンと彼らが減らしてくれた触手の間を移動する緋連と井宿。そして井宿の錫杖がその本体に突き刺さった。
「いくのだ!!」
緋連と井宿が気を合わせ錫杖に集中させる。シャンと錫杖が鳴ったかと思うと大きな光が辺りを包んだ。
その光は宮殿の地面を少し抉りはしたが、敵を消滅させることには成功したようで、辺りにはもう触手も何もなかった。