秘め事の連鎖
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「ねえ、何を隠してるの?」
「何も、隠してない…よ」
「嘘おっしゃい!」
「もう、柳宿飲みすぎだって、ほら今日はもう寝たら?」
「あんたねえ!」
殊更に誤魔化そうとする緋連にさすがに我慢できずにダンと机を叩きつけてしまった。今度は力の限り叩きつけてしまったらしく、机は真っ二つに割れ、水差しも、コップも地面へと落ち割れていく。
「あー、ほら、片付けるから、ね」
酔っぱらいは座っていてくれと緋連が二つに割れた机をどかし地面に落ちた食器たちを集めようとかがんだ。その背中を後ろから抱きしめる。
「あたしじゃ、頼りにならないの?あたしに言えないことなの?」
「柳宿…」
「あんたが必死に誤魔化そうとしてることわかってるんだから…」
「…っ…、ほら、破片が危ないから、退いて。片付けできないよ」
「はぐらかさないで!」
今までに聞いたことのない彼の声。それほどまでに追い詰めてしまったことがその声色でわかってしまった。
(いい加減話した方がいいのだ)
井宿が言った言葉が頭の中で響く。それでも、
「ごめん…。今は言える自信がない…」
カチャリと緋連が食器の破片を重ねる音が響く。
「柳宿のこと頼りないとかそんなこと思ってない。だって、私の一番の支えは柳宿だから…だから…もう少しだけ待ってて…」
「…わかったわ…」
そっと体を離してくれた。その後は2人で割れた食器を片付けた。床もきれいに拭いた。酔っていないのか心配したが柳宿は「このくらいじゃ酔わないわよ」そう言って笑った。
(結局、私は柳宿の優しさに甘えてるんだなぁ)
言えない自分の言葉を待ってくれる柳宿。本当なら無理やりにでも聞き出したいはずなのに、それでも今日の言葉を信じて待ってくれる柳宿の優しさ。
(どうして上手くできないのかなぁ…)
はあと大きなため息をついた。柳宿に心配をかけたくなくて黙っているのに、それが逆に彼の不安を募らせてしまった。
もっと上手く立ち回れたのなら…。柳宿の部屋からの帰り道、自分の部屋へと向かう廊下。夜空を見上げた。
「…綺麗…」
いつか一緒に見た星見祭りの時のような夜空。
『あんたがあたしに何も言ってくれなくて、1人で抱えている方が嫌いになるわ』
あの日彼がくれた言葉が蘇る。やっぱり彼に伝えるべきかもしれない。そう思って踵を返した時だった。ビリビリと体を嫌な気が駆け巡った。
「…石…!!」
柳宿の部屋とは違う方向へと緋連は駆け出した。