思い通りにいかない力
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体の中を巡っていた気が少し落ち着いたのがわかる。今まで感じていた不快な巡りは少しだけ安定した気がして目を開けた。
「緋連…!」
真っ先に飛び込んでくる彼の姿。いつも、どんな時でも彼の姿が目覚めた時に側にあった。
「柳宿、私…」
体を起こす緋連を柳宿は支えてやった。
「ここは太極山よ。あんたが倒れたから井宿が連れてきてくれたの」
「そう…」
自分が倒れたということはやはり思っている以上に朱雀の力の消耗が早いということだろう。今はこの太極山の気のおかげで安定しているが、下界に降りてしまえば同じことを繰り返すかもしれない。
「で、今美朱たちも太極山に来ているわ」
「美朱たちが!?」
どうやら緋連が眠っている何日かの間、井宿が美朱に呼ばれた気がすると紅南国のある場所に向かった。そこで美朱と鬼宿、今は美朱の世界に転生して過ごしているらしい。そして翼宿と再び出会い、その全員を連れて太極山にやってきたのだと。
「じゃあ、鬼宿は石を…?」
「そういえば言っていたわね。翼宿の石が割れて記憶がどうとか、井宿の分も太極山に来た時に鬼宿に渡していたわ」
「そう、よかった…」
とりあえず、美朱たちに会いに行かなくてはと寝台から降りる。柳宿としっかりと手を繋いで彼らがいるその場所へと案内してもらった。
「美朱…?」
「緋連!!」
案内された部屋にいたのはかつての親友。顔を見合わせた二人はどちらともなく駆け出して抱きしめあった。
「よかった、緋連目が覚めたんだね」
「美朱も、無事でよかった…」
額と額をくっつけて2人は微笑みあう。ギュッと握った手は2人の友情が変わらないことを現していた。
「美朱…その子が…?」
再会の熱い挨拶を終えた頃、美朱の横に座っていた男が声をかける。その人はもちろん鬼宿であった。
「久しぶりだね、鬼宿…!」
「あ、えっと、その…オレ…」
ニッコリと笑って話しかける緋連に少し戸惑う鬼宿。緋連はその戸惑いを理解した。
「大丈夫」
そんな鬼宿を安心させるように緋連は微笑んだ。なんとなくわかっていたことだから。
「それより、2人とも無事でよかったわ。それに、鬼宿、美朱の世界に転生したって柳宿から聞いた。本当によかったね」
もう一度美朱を抱きしめた。2人の恋の行方も気になっていたから。そして、それが叶うことを緋連も願っていたから。