玄武の神座宝
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「西廊国まではこの北甲国を南に抜けた砂漠を通れば近道です」
西廊国までの道を教えてくれた2人に美朱がこれからどうするのかと問うと、彼らはここの扉を閉じ天へ帰ると告げた。
「俺達はもう役目を終えましたから…。長かったなこの200年…」
「最後に神子にも会えて、良かったですよ…」
「…私も、あなた達のこと思い出せてよかった…。むこうでみんなによろしくね…」
緋連に優しく笑いかけ、虚宿と斗宿はゆっくりと消えて行った。
玄武七星士を見送った後、洞窟の入り口に向かって歩いてきた。ギィと大きな扉が開き、暗闇に光を与えて行く。急激な光の変化に全員が目を瞑り、眩しさをこらえていた。
「美朱!危ない!!」
緋連の声がして美朱は後ろに放り投げられた。それを鬼宿が受け止めてくれた。深い雪の中に誰かが沈む音がして、目を開ける。
「くっ…」
「緋連!!」
明るさに慣れてきた全員の目に飛び込んできたのは、狼に襲われている緋連。一瞬のうちに飛び散った血が辺りに広がっている。
「緋連を離しなさい!!」
柳宿がその狼に殴りかかるが、それを素早く飛びのき、狼は当初の目的である美朱を見た。
「鬼宿っ…。美朱、を…」
噛み付かれた腕を押さえながら立ちあがる。柳宿は後ろに緋連を庇う。狼の動きはとても早く、鬼宿たちも追いつけない。
「あいつ。神座宝を狙って、る…」
「えっ?」
緋連の言葉に柳宿は狼を見る。それは見た事のある目。あの時の戦いで緋連が意識を失う原因になったあいつに似ていた。
「あいつ…もしかして…」
「青龍七星士…。美朱を神座宝を護らないと…」
「あんたは、怪我してるでしょう!大人しく…」
緋連の腕から流れ落ちる血は止まることを知らない。緋連が一度意識を失ったのは少し前のこと。今無理をしてもう一度倒れないとも限らない。
「烈火神焔!!」
翼宿の炎も空しく、狼に避けられてしまう。そして次の瞬間、狼の牙が美朱に向かった。
「きゃっ…!!」
美朱が後ろに倒れ込む。狼がタンと少し離れた場所に降りた。一度美朱達の目を見て、狼は山を駆けて行った。その口には美朱から奪った神座宝を咥えていた。
「神座宝が…待って!!それを返して!!」
美朱が慌ててその狼を追いかける。
「美朱っ!」
すぐに、緋連も追いかけた。七星士達も後を追うが霧が濃くなり、美朱達の姿を見失ってしまう。
「美朱、美朱ー!!」
体が重たく、うまく動いてくれない。美朱の姿も、この霧で見失ってしまった。地面には自分の血が落ちて行く。近くの木に寄りかかり、そのまま意識を手放してしまった。
「この霧じゃ、どこに行ったのか…」
「緋連も怪我してるっちゅうのに…。無茶しよるんやから…!」
辺りを見まわしても2人の姿は見えてこない。2人の名を呼びながら探しているが返事は一度も返ってこない。少し進んだところで足元を見ると赤い血が点々と地面に続いていた。