玄武の神座宝
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「…やはり文献には何も残っていないのですね…」
「語り継がれることのない神子。その存在は恐ろしいほどの力を秘めていて、過去からその存在を消すことになった神子。きっと神子と言う存在を悪用されないように文献に残らないようにしたのでしょう」
「どういうことなの?」
斗宿の言葉に柳宿が聞く。その言い方はまるで神子の存在は初めは消えなかったような言い方。もし、朱雀を呼び出したとしても緋連の存在を確立する方法があるのだろうか。
「…神子という存在は…」
「斗宿!!」
何かを話し始めようとする彼に緋連がきつく静止をかける。
「それ以上は言わなくていい…」
きっと最初の物語の七星士だから知っている真実。そして緋連も気付いた真実。だけどまだ仲間たちにそれを伝える勇気は出ない。
「ちょっとあんた、またあたしに隠し事…っ!!」
「柳宿、ごめんね…。今度、落ち着いたら話すから…」
そう落とした緋連の声と表情はとても悲しくて、消え入りそうなものだった。
「…斗宿、虚宿…。今まで玄武の巫女の残した神座宝をよく護ってくれました…。またあなた達に会えることが出来てとても嬉しかった…」
溢れてくる涙が頬を伝うが、そのままに笑顔を見せる緋連。
(あんたはそうやってまた、笑うの…?)
今はその後ろ姿も抱きしめることが許されない気がして、伸ばした手を静かに下ろした。
『神子…。次にあなたが生まれる世界は優しい世界でありますように…。私がこの世界で皆と出会えたように…。女宿と愛し合えたように…』
(多喜子…。あの時の私にはまったく分からなかったけど、今の私には分かる。使命も何も関係ない…。私はこの人達と生きたい…。私の幸せを願ってくれて、ありがとう…)
美朱に借りた神座宝をギュッと握りしめる。神座宝に残っていた神力が緋連の体を包んだ。あの時、太一君の隣にいた1人の女の人と同じ感じ。きっと、彼女は多喜子だったのだろう。
「さあ、じゃあ、次の目的地に行こう!」
少しの思い出に浸った後、美朱に神座宝を返し、緋連が笑顔で言った。その言葉に周りの七星士達はずっこける。
「次の目的地…って、だって、紅南国に帰るんじゃ…」
「…神子、もしかして、話してなかったのですか?」
虚宿の言葉に緋連は首を傾げる。
「あれ?だって、太一君に話し聞いたんじゃ…」
「太一君は「まず」北甲国の神座宝を手に入れろって言っていたのだ…」
「ああ!!」
井宿の言葉に、他の七星士が声を上げる。緋連はアハハと笑っていた。
「…俺たちも盗人の1人から聞いた話ではありますけどね…。もう1つ、西の西廊国の神座宝を手に入れないとそれぞれ力が出ないとか…」
この神座宝を手に入れて終わりだと思っていた七星士達の頭上には、ズーンという効果音が聞こえてきそうだ。
「いいじゃない!もう一個の神座宝取りに西廊国に行こうよ!北甲国の神座宝も手に入ったんだし大丈夫だよ!」
美朱の一言に顔をあげた皆の顔はもう次の目的地、西廊国を向いていた。