いつか
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『柳宿に対する感情も、友情という感情も全てだ!!』
あの時太一君に言われた。
持ってはいけない感情の全て…。柳宿が好きという感情は私が「神子」ならば持たないはずの感情。
だから、これは持ってはいけないもの。そして、美朱や唯ちゃんに持っている、友情という感情も…。
だって、唯ちゃんは美朱の…、朱雀の巫女の敵…。だったら、戦うしかない。でも、私の中で迷いが生じるの…。
どうして私は「人間」じゃなかったんだろう…。
どうして、七星士じゃなかったんだろう…。
どうして、柳宿の側にいられる女の子じゃなかったんだろう…。
先ほどまで笑顔で自分の服を選んでくれていた人物は、もう1人の女の子、美朱の元へと服を選びに行った。
「…ここに、私はいるのに…」
鏡の前、彼が選んでいた洋服を体にあててみる。鏡に映る姿はちゃんと自分のものなのに…。
「私はいつか、体も、みんなの記憶からも消える…。わかってるわ…。何度も言われなくても…」
パサリと服を寝台の上に無造作に置き、部屋を後にした。廊下に立って外の景色を見つめる。空は少し曇り、今にも雨が降りそうな天気だった。
「…わかっているのにね…」
どうして、こんなに胸が苦しいんだろう。彼の側にいられる最後の時まで一緒にいられるだけでいいと思っているのに…。
もし、自分がただの「神子」であればこんな思いもせずに済んだのだろうか…。静かに問いかけてみる。それは「緋連」じゃなく、「神子」だった。
「朱雀の中で私が皆の事を憶えているのは辛くないわ。でも、柳宿が私のことを忘れてしまって、他の人と付き合ったりするのかなって思うと、辛い…」
朱雀に還ったとしても自分は朱雀の一部となり、この紅南国や美朱達の世界を見守るために、ある意味では生き続けられる。
でも、柳宿は自分の事を忘れて、新しい人を見つけて生きていく…。これから自分が話そうとしていることも、きれいさっぱり忘れて…。
「どうして私は、朱雀の神子だったんだろう…。同じ「みこ」なら…。私も巫女が良かったな…」
それはどうしようもないことだから、仕方のないことだから…。
「受け入れたはずだよ。私は…。どうして、こんなに心が揺れているの…?持ってはいけない感情だから…?」
『あんたは、私の大切な…』
『「神子」じゃなくて、「緋連」女の子でしょう!』
どうして、あなたは私の事を「女の子」として、見てくれるの…?もし、私があなたに気持ちを告げれば、受け入れてくれるのかな…。それとも…。考えていた時、それを打ち消すかのように、曇り空の中で雷が鳴った。
1/8ページ