神子を知る者と神子の記憶
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誰かがずっと呼んでいる気がするの。あなたは誰?どうして私のことを呼んでいるの?まだあなたの声が聞こえないの…。
「…神子…朱雀の神子…」
「朱雀…」
再びこの世界に来る前に朱雀と話した空間。その場所に連れてこられた緋連の意識。目の前の朱雀はその時会った時よりも弱っているようにも見えた。
「もう力がほとんどないのね…」
自身の手を見つめる緋連。今の自分は朱雀と繋がっている。朱雀が力を使えば自身にも影響があり、緋連が力を使えばそれは朱雀の力を奪うことになるだろう。
朱雀の力を使うたびに朱雀が弱るのを速めていては本末転倒。朱雀が復活する前に存在を消すことになりかねない。
「…一つだけ方法がないこともない…」
「その方法は…?」
「我と神子を切り離せばよい…」
「…その場合私はこの世界に存在していられるのかしら?」
「そなたの中に残っている我の力が無くならない限りは…」
ただ、一度切り離してしまえばもう朱雀からの力を借りられなくなる。残りの力を使い切れば存在はなくなるだろう。
「そなたはまだ、使命がある…我もこのまま消滅するわけにはいかぬ…」
そう、まだ消えるわけにはいかない。緋連もまだこの世界に必要な存在だから。
「次に朱雀の巫女がこちらに来た時に、切り離す。我は巫女の側で力を蓄えることにしよう…」
「戦いで使った力は、そのまま無くなってしまうのかしら」
「今までのように、七星士に力を分けてもらえばよい。我の力を補うことは出来ないが我の力を使う量は減らすことが出来るだろう」
スッと目の前から朱雀が消えた。
「言いたいことだけ言って消えるんだから…。それにしても本当、面倒な体…更に面倒な体になるなんて…。なんで私をこの世界に降りたたせたのよ…」
この状態でいったい何を護れるというのだろうか。七星士に力をもらい続けて何のために存在するのだろうか。
「……っ…!!」
何かを叫びたくて、何かにぶつけたくて夢の中で叫んだ気がした。それは現実の世界では声にならなかったらしく、ただ目が覚めただけだった。
ドクドクと心臓が打っている音が聞こえて、呼吸が少し荒いことが分かった。
「嫌な夢でも見た?」
そんな緋連に隣で寝ていた柳宿が優しく頭を撫でてくれる。その温もりがゆっくりと呼吸を落ち着かせてくれた。
「…柳宿…」
「なに?」
「…ギュってして…」
「いいわよ」
少し布団が動く感覚がして彼の温もりが自分の体を包み込む。優しい彼の温もりに包まれてもう一度目を閉じた。