思い通りにいかない力
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
バタバタと柳宿が慌てて帰ってきたのは先ほどのこと。抱かれた緋連は意識がなく、ひどく慌てた柳宿が部屋に寝かせて様子を見ていた。
「美朱がこっちの世界に来たって言っていたけど…」
それが緋連の意識を奪ったことと何か関係があるのだろうか。そっとその頬に触れた時、緋連の瞳が開かれた。
「…柳宿…?」
「目が覚めたのね、よかったわ」
パチパチと瞬きを繰り返し、部屋を見回す。
「ここは紅南国の宮殿の、あんたの部屋よ」
「あ、そうか…私…」
起き上がろうとするが、体が重たく動かない。
「ちょっと、さっき倒れたばっかりなのよ、おとなしく寝とかないと…」
上半身を起こし、ふらつく緋連を柳宿が支える。
「柳宿、ごめん朱雀廟まで連れて行ってくれないかな…」
「今すぐに?」
体調が悪いというのに何を言っているのかと思うが、彼女は真剣な瞳で頷いた。
「全く…仕方がないわね…」
わかっているこんな時の彼女は大人しくしているはずがない。柳宿はしっかりと緋連を抱き上げると、朱雀廟へと向かって歩き出した。
「ほら、着いたわよ」
朱雀廟の中に飾られている朱雀の像の前、緋連は手を伸ばした。
「柳宿、少しだけ1人にしてくれないかな。大事なことがあるから」
「どこかに行くわけじゃないのよね?」
「うん。大丈夫。ちょっと朱雀とお話ししたいだけだから」
「わかったわ。終わったら声をかけなさい。外で待ってるから」
パタンと廟の扉が閉められ、緋連は目の前の朱雀の像に両手を伸ばした。
(朱雀の気が満ちてくる…でもこれじゃあ全然足りない…)
体中に巡ってくる朱雀の気。この場所には朱雀の気が溢れており、飾られている象からも朱雀の力が入って来るのに、緋連の乱れた気を保たせるほどの量ではなかった。
(せっかく美朱たちがこっちの世界に来てくれたのに、あいつらから守らなくちゃいけないのに…)
次元を超えた朱雀の力が弱まっている今、自分を作り上げているものも不安定になっているのは仕方ないと思うがこれでは足手まといになりかねない。
「朱雀、応えて…」
緋連が呼びかける。緋連の体から出た朱い光と、朱雀の像から出た朱い光が混ざり合い、朱雀星君が姿を現した。