想いが動く時
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翌朝、誰が大きな声で叫んだことで目が覚めた。どうやら美朱が柳宿を起こすために懐中電灯の明かりを目に向けたのだ。(良い子は真似してはいけません…)
「これ、失明してたら弁償してもらうから」
(目を弁償って、美朱の目と入れ替えるのかな…?)
美朱の暴挙を受けたその目を押さえながらも柳宿は美朱を馬に乗せ目的地へと向かってくれていた。美朱が朝方どこかへ出かける鬼宿を見かけたというのだ。柳宿を叩き起こし、鬼宿を追いかけた先にたどり着いたのは小さな村。
柳宿が鬼宿の出身地かもしれないと馬から降りた。鬼宿が入って行った家の窓の外にばれない様に張り付いて座り込む。
中から聞こえてくるのは鬼宿と、家族の声。その会話から鬼宿があれだけ必死にお金を集めていたのは家族のためだと知った。
鬼宿の家族想いな真実に皆が感動していたそんな時、中から鬼宿の焦った声が聞こえる。止める暇もなく美朱が窓から鬼宿の家に入って行ってしまった。
小さな女の子が倒れており、それを美朱は抱きかかえた。額に手を当てなくてもわかるくらい小さな女の子の体は熱かった。
「ひどい熱、ベッドはどこ?布団もたくさん用意して!」
テキパキと指示を出し、その子を用意された布団に寝かせる。
「お前ら、つけてやがったな…」
とりあえず、ひと段落したところで家の中に集まった美朱、柳宿、緋連に鬼宿が言った。
「ま、いいじゃない、別に」
自分たちが付けてきたおかげでゆっくりと熱を出した小さな女の子、結蓮の看病が出来るのだから。鬼宿に緋連がニッコリと返す。
少しして、結蓮が落ち着くと鬼宿の家族の紹介を受けた。鬼宿の父親は長いこと病気を患っているらしく、床から上がれないでいたが、緋連達を温かく迎え入れてくれた。
「誰が兄ちゃんのお嫁さん?」
純粋な瞳で尋ねてくるのは鬼宿の弟の玉蘭。美朱、緋連とどっちかが自分の兄のお嫁さんになる人で、兄はその人を連れてきたのだと思ったようだ。
「ぎょ、玉蘭!」
何を言っているのかと鬼宿が慌てるが、緋連は玉蘭にニッコリと微笑んだ。
「お嫁さんはこっち。私は兄ちゃんの友達だよ」
お嫁さんと紹介された美朱が今度は慌て始める。
「な、ちょ、緋連!勝手に…」
「何も間違ったこと言ってないでしょ?」
「で、でも…」
誰がどう見ても、2人は好き合っているのだから別に間違ってはいないだろう。戸惑う美朱に更に追い打ちをかけるように柳宿が父親のもとに向かう。そして、父親の手を取った。
「お父さん、実は彼らはCまでいっているんです。私とはAまで…」
「えっ…えー!」
「ほ、ほら病人を興奮させること言うから…」
美朱がベッドで寝ている鬼宿の父を見る。父は違うと首を振っていた。そう言えば叫び声は自分の近くから聞こえたような気が…。
「鬼宿!何してんの!」
今にも殴りかかりそうな勢いで緋連が鬼宿につかみかかった。
「な、何で俺がお前に怒られてんだ…」
父親に年頃の女の子にCまでなんて早いと怒られるのかと思ったが、自分に掴みかかっているのは緋連。
「だ、だって、Aって、キスってことだよね…」
どうやら緋連が確認したいのは鬼宿と柳宿がAまで行っていたということらしい。
「そだよ、私と星宿に妬きもちやいて柳宿が鬼宿に…あれ、緋連?」
緋連のその態度に美朱は何かピンと来たのか、ぐふふと気持ち悪い笑みを浮かべる。そして、近くにあった桶を取り緋連の腕をつかんだ。