「朱雀の」神子
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唯の助言で婁宿は美朱に神座宝を渡すべく、右耳のどこかから小さな種を出してきた。
美朱はそれが神座宝だというのではないかと不審そうな顔をしていたが、次の瞬間笑顔になった。婁宿の術でその種が芽を出しさらには花を咲かせた。
そして、その花の中央に白虎の神座宝…白虎の巫女が持っていたという手鏡が出てきたのだ。
「…それは、白虎召喚の際、鈴乃がもっていた手鏡だよ」
美朱に手渡しながら婁宿が伝える。聞き覚えのない名前に美朱と唯は婁宿に聞き返した。
「大杉鈴乃。90年前に君たちのように異世界からやって来た巫女…。そして、僕の生涯で最愛の人物だ」
婁宿の言葉に美朱は疑問に思った。自分と鬼宿のように彼らは恋人同士だったのだろうか?それとも、婁宿の方恋だったのだろうか…。
「2人は恋人同士だったの?」
その疑問は唯の質問によって解かれる。婁宿と鈴乃は愛し合っていた。鈴乃の事を話す婁宿の表情を見ればどれだけ大切に思っていたのか分かる。
「2人の恋は他の七星士も反対したよ。巫女とは絶対に結ばれないからってね…」
「……」
白虎の神子だった自分も反対したはずだ。そう、太一君に促された気がする。いや、あれは直感的に分かっていたのだろうか…。
「その言葉の通り、彼女は自分の世界に帰って行ったよ…」
鈴乃の事を思い出しているのだろうか、それとももっと深い想い…。婁宿は目を瞑って何かを考えているようだった。
「…どうして?白虎に願わなかったの?一緒にいさせてくれって」
「願ったよ…」
そう、白虎の召喚の時に婁宿達は願っていた。だけど、白虎からの返事はNOだったのだ。巫女は神獣を召喚するために異世界から現れる存在。
巫女のこの世界での存在意義は神獣を呼び出し願いを叶えるまで。その間にだけ異世界での存在が許されるのだと。だから、巫女をこちらの世界の住人にしてほしいという願いは叶えてもらえなかった、それが天の掟なのだと、そう続けた。
「…っ…」
だからなのか…。鬼宿が自分にとったその態度の理由を美朱は理解した。鬼宿は婁宿と同じ白虎七星士の奎宿からこの話しを聞いたのだ。自分達はどれだけ頑張っても結ばれることはないのだと。
「…美朱…」
その真実の大きさに美朱は地面に膝をつき肩を震わせていた。どれだけ自分達が愛し合っていても結ばれることはないのかと。
「…大丈夫?ちょっと休んでな。冷たいお水でも持ってくるよ…」
美朱に優しく話しかけ唯はその場を後にする。
「唯ちゃん…」
その走って行く背中を見送った。