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人は生きている間、誰かのために使う時間はいくらあるんだろう…。彼の言葉で考え始めたその時間。
私は出来れば残りの時間を、朱雀を呼び出すまでのタイムリミットまで、みんなのためにそして柳宿のために、使いたいな。
もちろん、押し付けじゃなくて、私がそうしたいから…。
「私の残りの時間は全部皆のためにあげる」なんて、そんな立派な事言えないけど…さ。
特鳥蘭を出発して何日が経っただろう。西廊国に入ったことは確かであるが、辺りを何度見渡しても砂漠が広がるだけで、北甲国にあった大きな都や、小さな村落など見えてくる気配は全くない。
さらには、空から照りつける太陽が足止めをしていた。
「こりゃ、夜になるまで動けそうにないわね…」
たまたま見つけた岩場の影に身を隠し柳宿はそう告げた。
「そだね…。砂漠地帯は、昼は暑くて夜は寒いって言うし…」
暑さから身を守るものを持っていない緋連と柳宿。柳宿は暑いのか服を脱いでいた。
「緋連、あんた暑くないの?」
「あ、うん。暑いって言えば暑いし、暑くないって言えば暑くないかなぁ…」
「なにそれ?」
煮え切らない答え。そう言えば、彼女は昨日の夜もずっと起きていた気がする。眠れないから、そう言っていたが、何だか引っかかるのは当たり前である。
「ねえ、昨日の夜も、あんた全然寝てなくなかった?」
柳宿の質問に、軽く笑い、そんなことないよ。そう言った。だけどその時の表情を見逃すほど付き合いは浅くない。
「…今更、あたし達の間に隠し事なんてないわよね?」
「………」
そう、この前彼女の過去を聞いた。隠していた事実も全て。だから、彼女はそれを誤魔化したり、しゃべらないということはないはずだ。
「…神子だからかな…」
そう、言った声はどこか寂しそうな、辛そうな、だけど感情がこもっていない様なそんな音だった。
「神子ってさ、人間じゃないんだ…。って、つくづく思うんだよね。最近…」
ギュッと握りしめるてのひら。どれだけ力を込めても、それは痛くなかった。そう、神子は神獣と太一君が作った存在だから。
「何があっても、巫女と七星士を護れるようにね、私は眠れなくても大丈夫なように出来てる。食事だって無理に取らなくても良いらしいし」
そう、先日から幾度と感じてきた緋連に対する違和感。それはこの事だったのだと気付いた。
「ごめん…!!」
ギュッと抱き寄せられ、彼の胸に顔をぶつけてしまう。
「どして、柳宿が謝るの?」
何も悪い事なんてしてないのに、どうして、彼は自分に謝っているのだろう。
「……気付けなくて、ずっと、ずっと傍にいたのに…」
そう、少なくとも違和感はあったはずなのだ。だけど、彼女はそれを隠すように笑っていた。その瞳を曇らせなかったから。だから、気付けなかった。
だけど、それは言い訳かもしれない。気付けなかった自分を「仕方のないことだから」そう逃げられるように。