君の流した涙と私の決意
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フワフワと体が浮いているような感覚に緋連は目を開けた。まるで無重力空間にいるかのように漂い続ける体。
「私、死んだのかなぁ…?」
周りを見渡しても何も見えない。ただ暗闇があるだけだった。
「何もない世界…音も、風も…」
なのにどうしてだろう、この場所が心地よく感じていた。このままこの場所にいてもおかしくない、むしろこの場所こそが自分の居場所のような感じがあった。
「神子のご都合主義はこんなところで発揮しないってことかな…。でもいっか、柳宿のこと護れたから…」
暗い暗い闇の中に落ちていく。自分は柳宿を護って死んだんだ。でも後悔なんてしていない、だって柳宿を護ることが自分の願いでもあったから。緋連として、柳宿を最後まで護り抜くことが出来たのだから。
これから先の未来で、柳宿は自分よりもいい人を見つけて幸せになるはず。美朱が朱雀を呼び出せば柳宿は自分のことを忘れるから、だから大丈夫。別れる最後の時の柳宿の顔が頭から離れない、大丈夫。辛いの今だけだから、朱雀を呼び出すまでだから。
別れの時は自分たちには必ず来るもので、それが少し早まっただけなのだから。
(だから、私は…それを寂しいとか悲しいとか…思っちゃダメだよね…)
そう考えるたびに、体がドンドンと深い深い闇に沈んでいく。宇宙のように漂っていた体は、闇の中に沈んでいった。
ザクッと雪を踏む音がして、その場に残りの七星士達が集まった。彼らの瞳に飛び込んできたのは赤く染まった雪と、その原因となったであろう緋連の姿。そして、彼女を抱きしめたまま泣き続ける柳宿と鬼宿に肩を抱いてもらいながら泣いている美朱。
「何が、あったんや…」
翼宿が静かに問うと、鬼宿が立ちあがった。
「青龍七星士の奴と戦って…。さっき…」
「アホか、そんなことあらへんやろ!緋連は神子やで!」
翼宿が駆けよる。そして、柳宿の腕の中の緋連に呼びかけた。
「お前、朱雀も呼び出してへんのに何やってんねん!!美朱のこと護るんちゃうんか!!はよ、目え覚まさんか!!」
「翼宿、よせっ!」
「離せたまっ!こいつ寝とるだけや!絶対、寝とるだけや!軫宿、治したってくれ!はよう!!はよ、せえや!!」
鬼宿の腕を振り払い軫宿に迫る翼宿。軫宿は苦渋の表情でただ首を振った。
「でけへんわけないやろ!」
「翼宿、落ち着くのだ…」
「井宿、お前は信じられるっちゅうんかい!こないこと…緋連が…」
その先に言葉が続かない。その言葉を口にしてもしなくても目の前の事実は変わらないとしても、自分の口から出してしまえばそれを認めなくてはならなくなってしまうから。