それぞれの覚悟
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星見祭りの翌日、星宿が用意してくれた船に荷物を詰め込みに行く。北甲国へ向かう準備は着々と進められていた。
「うわぁ~立派な船だ…」
河の上に浮かぶ船はとてつもなく大きく見えた。
「これで北甲国に行くんだね…」
向こうの世界ではテレビでしか見たことのない物が目の前にある。初めて見るその大きさに驚きの声を上げるしかなかった。
七星士達の反応をみて、船を用意してくれた星宿が緋連達に微笑む。
「この船はお前達のものだ。好きに使うがよい」
「そういえば美朱は?」
船を見て一番騒ぎそうな姿が見えないため、柳宿が緋連に聞く。
「ん、荷物の準備するって部屋にいるはずだけど…」
まだ来ていないのかと辺りをキョロキョロと見渡してみると、木の陰に隠れるように船を見つめている翼宿が目に入る。
「翼宿?そんなところで何してるの?」
「あ、ああ、何でもあらへん」
額に冷や汗を流し緋連に答える翼宿。その翼宿の姿をみて何かを思いついたのか鬼宿が駆けてきた。
「あー!!お前もしかして、カナヅチだな!!」
「な、何を言ってるんだい?セニョール…この僕が泳げないとでも言うのかい?」
と彼なりの強がりのつもりなのだろうが、冷や汗が流れ、いつもの関西弁が出ていないことから、かなりの動揺が伝わってくる。そんな彼の姿をみて、誰もが気付かないはずが無い。
「翼宿…色々ばれるているから…」
鬼宿に抱きかかえられ、河の側に連れてこられる翼宿。鬼宿が翼宿を河に落としてやろうと持ちあげる。冗談にしても、翼宿にとって河は怖いもの。
バタバタと暴れるその姿と、鬼宿の悪戯心に緋連は軽くため息をついた。
「そろそろ荷物運びましょう」
柳宿に言われて緋連たちは荷物を運び始める。何日も長い船旅になるのだからたくさんの食糧、道具などがいる。
衣服も、一緒についてきてくれる兵たちや侍女の分も乗せなくてはならない。船の前にはたくさんの荷物が所狭しと置かれていた。
「えっと、これはこっちで…」
次々と荷物を運んで行く緋連。その横では船の上で足が震えている翼宿と、それをからかっている笑っている鬼宿の姿が見えた。
じゃれ合う2人の姿はいつかの美朱と唯と一緒にいる自分達の姿のようで…。自分達に重ねた2人の姿を微笑ましく見ていた。
「緋連?私以外の男、見てるんじゃないわよ?」
「柳宿、もうそんなんじゃないです」
「あらそう?だったらいいわ」
荷物を持って船に上がって来た柳宿が緋連に話しかける。柳宿の腕の荷物を見ると箱を3箱、その上に風呂敷に包まれた荷物を2つほど乗せていた。
「それにしても、やっぱり柳宿は力もちだなぁ」
「そうなのよね~私けっこうか弱いのに…」
「全国のか弱い人に謝った方がいいと思います」
「あら、そういう口きいちゃっていいのかしら?」
柳宿の顔が近づいてくる。一瞬、昨日のことを思い出して緋連は頬を紅くして、彼から顔を逸らした。