7.学園生活
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ギルが一通の手紙を出して茂に手渡した。
「国王陛下から、街で店を開くならその前にどんな商品があるのか見てみたいだって」
「それは丁度良かったよ。献上品の説明もしたかったし、みんなにも商品と接客を覚えて欲しいから、錬金術師科も同席していいか聞かなきゃ」
オルギウスとフェアグリン、学園長の三人に同席を許可してもらえるかと手紙の下書きをして現津に確認をしてもらう。
「三者に何を贈るか公開するのね。大胆だけれどいいと思うわ」
ファビオラも頷いて茂の案に賛成を示すと、他の生徒たちが「どうして?」と首を傾げる。
「この国は宗教の自由とか認めてくれてるけど、それでも国教は一つだからね。そこを疎かにすると国王が偉いのか、教会が偉いのかっていうトップ同士のぶつかり合いが起こっちゃうんだよ」
どちらも責任のある立場で別ジャンルのトップなのだからこそ譲り合ってはいけない。
なので周囲もぶつからない様に気をつけた方が良いと、書き終わった手紙を読んで封筒に入れてから現津へ渡す。
「はい、確認いたしました。このままお渡しいたしましょう」
「ありがとう、よろしくね」
「二人のやり取りって、主人と秘書みたいだよね」
「みのり屋の代表とその代理ですから、似たようなものです」
「代表してるけど、私は研究者だからね。こういうの現津さんの方が得意なんだよ」
「アキツくんはどこでその知識を手に入れたの?」
「”古きを知り、新しきを知る”ですかね」
「先人は良い言葉を作るよね」
つむぎに手紙を三通渡し、教会、城、学園長へ届けてくれと頼んだ。
「どこでもそういう国内の争いは腐る程あるからな」
「教会が腐って民衆を見捨てる話も、貴族が腐って領民を捨てる話も、いくらでもあったぞ」
「何処の国でも?」
「宗教の自由を認めてない国もあるし、それでなくても異教徒同士の潰し合いもあったし、それを利用する権力者もいた」
「だからあの国では禅が残ったともいえるよね」
「ぜん?」
「んー、神様に近づくために自分との対話を大切にするって感じの考え方かな?」
終わらない問答を繰り返す。
そうして真理に近づき、この世と”神”というものを知るというものだと説明され、クミーレル達だけでなく教師たちまでもメモを取った。
「これは錬金術に通じるものがありますね」
「ゼンか、奥が深そうだ」
意見交換をしている姿を見ながら仲間がいるって素晴らしいとお茶を飲む姿に、「何歳なの?」とギルが首を傾げていた。
それから数日後、フェアグリンから国王たちと同じ日に参加したいので日程を教えてくれと返事が来た。
オルギウスにもその事を伝え、日程を決めてまた返事を書く。
「めんどくせー・・・」
その作業を見ていたジンが図鑑を開きながら声を漏らす。
「これが社会に出て働くっていう事だよ」
「夢がねぇなぁ」
「どんなホムンクルスにするか決めたのか?」
「ああ、やっとな」
二、三年生の中で一番遅くホムンクルスを造り始めたジンに、一年生たちがどんなのにするのかと一緒に図鑑を覗きだす。
「鳥だよ。俺冒険者になりてぇし、一緒に戦ったり飛んだりできる奴が良いからな」
それに鳥であることは決めていたが、ようやく探していた鳥が見つかったのだと一年生たちと話しているジンを見て、カタリナが言葉を溢す。
「ジンって意外に、って訳じゃないけど、面倒見良いわよね」
「分かる」
「
「なんで12歳?」
「12歳がギルド登録開始の年だからでしょ」
「じゃぁジンってもう冒険者に登録したの?」
「いや、学園に入るのに金全部使っちまったからな、今なら余裕あるからできるけど」
「春休みにダンジョンとか行ったもんね」
「なら今度登録してみない?ジンくんに依頼出したいし」
「依頼?」
「街でお店やる時接客してくれる手が足りなくなると思うんだよね」
今の所予定では五日間なのでその間手伝ってくれる子が欲しいのだと言う。
「出来れば12才前の子が良いな」
人数は何人でもいい。詳しい話も近くなったらまたしようと言われ、ジンもそのつもりでいると頷いてくれたのでホムンクルスの話に戻った。