4.海賊と一緒
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昼過ぎになり、進とマルコが起きたので歓迎の宴が始まるまで注意すべき組織、世界政府について説明される事になったのだが、ゾオン系の能力を持つ者たちが皆和と進の近くに座っていた。
「なんでこっちに密集してんだよ!」
「なんか、落ち着くから」
「なんで、なんか、和とはまったく違う匂いなのにいい匂いで、」
スンスンとうるティが進の匂いをかいで「落ち着く〜」と獣型になってしまう。
「ここで獣型になんな!」
「狭ぇだろうが!」
「天気良いし、外に行く?」
という事で外へ移動すると他の皆も獣型になり始めてしまい、ワノ国の重臣達が少し困惑しながらどうしたのかと聞いてきた。
「なんか、こっちの姿の方が落ち着く」
「本当に全員でかいなぁ」
「凄いよね」
「私達の中だと進は原始的な力が強いからかしら?」
「植物みたいな?」
「そんな感じね」
「野性味あるよね」
「なら気にしてもしょうがないな」
体質みたいな物なのでどうしょうもないと進が言うので、黒電話で白ひげへかけて全員で話し合いをする事になった。というのに、マルコまでもが鳥の姿のままだ。
『マルコお前!一人で先に行ってんじゃねぇ!!』
『俺らも後数日でそっちに着くからな!』
「ひと月はかかる距離だろい」
『魚人族の血が入ってる奴ら全員で引っ張ってんだよ!』
「途中で交代してやれよ」
「ひと月かかる距離を一晩で飛んできたの?」
「そりゃ疲れるわ」
「話が進まねぇな。俺が姿消して連れて来た方が早いだろ」
梅智賀が立ち上がるが、和がそれを止めた。
「私が呼ぼうか?」
「は?」
「おい!白ひげの誰と”結んだ”んだ!」
「誰とも結んでないよ。そうじゃなくて、船を呼ぼうと思って」
「お前そんな事まで出来んのか!?」
「ニューゲートの船は知ってるからね。それとも私が風月に連れて行ってもらって、一緒に戻って来る方が良い?」
「・・・はぁ~、本格的にもう隠せねぇか」
ため息とともにそう呟き、フーズ・フーが電話に向かって話しかける。
「今すぐ進むのを止めて全員船に乗れ、これから和とそっちに行く」
『は?』
「風月は足が速いから、すぐに着くと思うよ。あ、でも見つかると不味いんだよね?周りに白ひげ海賊団以外いる?」
『誰もいねぇ。俺たちの航路はマルコが知ってる。地図を見て確認してくれ』
「分かった。進、クジラの形した船が何処にあるか分かる?数百人は乗れる船だから物凄く大きくて、クジラの形してるから船首が丸い奴」
「なんで進に聞いてんだよい。カイドウに地図借りれば、」
「ああ、大丈夫だ。多分これだな」
「は?」
『は?』
電話の向こうでもニューゲートの声も聞こえて来たが、進は気にせず一つの方角を指さした。
「船首が丸くてでかい船、いくつもの種族が乗ってる。ニューゲートは光の民だったな?多分間違いないだろ、あっちだ」
「あっちだね。風月、あっちにあるモビー・ディック号まで乗せてって」
「にゃぁあお」
和の腕に抱かれていた風月が返事をし、背中についていた標識が回りだす。カシャンと一度回った時に出てきたのは、「エア」。そして更に回ると、「モビー・ディック号」と書かれていた。
「じゃぁちょっと行ってくるね。カイドウ、ニューゲートたちがいつも船を停めてる入り江使っていい?」
「説明をしろ説明を!!」
「なんだ今の!?」
「プレートがっ、「モビー・ディック号」って!」
「こいつ本当に猫なのか!?」
『ちょっと待て!これからナニが来るんだ!!』
風月が見えていないニューゲートたちも、百獣海賊団と一緒に叫んでいた。
「猫だよ。ニャーって鳴くし、毛だって柔らかいし、肉球もぷにぷにしてるし」
「そういう事じゃねぇ!」
「それ以外の違いがデケーんだよ!!」
「こいつの説明も白ひげを連れてきてからでいいだろ。二度手間だ」
「めんどくさがってんじゃねぇ!ちゃんと説明しろよ!!」
「戻ってからな」
「風月、フーと一緒に乗れるくらい大きくなってくれる?」
ピョンと和の膝から降りて空いているスペースへ歩いていくと、ムクムクと巨大化していく。
「でかくなったー!!」
「なんだこいつ!?」
騒いでいる皆を気にせず、窓のようになっていた一部が大きく開いて和を見た。
「にゃぁお」
「ありがとう。じゃぁちょっと行ってくるね。入り江の近くに出てくるから、戻ってくるまで海には出ないでね」
「待て!俺も行く!ニューゲートたちもこれが来たら驚くだろ!」
「今から行くって言ってんだからいいだろうが。テメーはここで待ってろ」
睨みあうマルコとフーズ・フーを見上げ、別にいいではないかと和が首を傾げた。
「三人でも乗れるから大丈夫だよ?一応進に聞いてからちゃんと行先言ったから間違って別のモビー・ディック号には行かないだろうし」
「行っちまったら大問題じゃねぇか!」
「風月はまだニューゲート達の乗ってるモビー・ディック号見たことないからね」
だから念のために進に聞いたのだしと言いながら乗り込んだ。それに続きフーズ・フーも乗り込み、マルコも乗ってくるとうるティも入ってきた。
「ふぁ~!!柔らかい!おまけにちょっとあったかい!」
「何勝手に乗り込んで来てんだ!!」
「うるティも一緒に行く?」
「行く~!」
「ふざけんな!」
「俺も乗せろ」
「後にしろ!」
最終的にジャンケンで勝った者が乗ることになり、うるティが一緒に行くことになった。
「はぁ~、このまま寝たらいい夢見れそう・・・」
「猫ってあったかくて柔らかいし、なんかいい匂いするよね」
座席に寝転がって頬ずりしているうるティに笑い、窓から手を振ってすぐに戻ってくるねと言ってから風月に話しかける。
「風月、出発」
「にゃぁぁぁあお!」
その鳴き声を最後に、風月の姿は見えなくなった。
「え、は!?」
「どこ行った!?」
「風月は足が速いから走ってると見えないぞ」
「足が速ぇの範疇じゃねぇだろそれ!!」
『うわー!なんだ!?』
『突風だ!嵐か!?』
『メインマストになんかいるぞ!!』
『にゃあ』
『なんだこりゃー!!』
電話の向こうから白ひげ海賊団の騒がしい声が聞こえてきたと思ったら、猫の鳴き声と悲鳴も混じっていた。しかし、すぐに静かになり和の声が受話器から聞こえてくる。
『今からそっちに船ごと移動するね』
その言葉と共に見慣れた和の紋が海面に広がり、モビー・ディック号が突然現れた。
「マジか!!」
「鬼ヶ島だ!」
「本当に一瞬で、」
「ただいまー!」
本殿の前にある広間で集まっている皆に手を振っている和に、百獣海賊団の絶叫が木霊した。