4.海賊と一緒
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「ここフー達がいる世界だね」
「なら挨拶に行かなきゃね」
「フーさんとしか会った事ないもんねぇ」
「楽しみー!」
「みんな元気にしてる?」
「うん!ワノ国も他の国と貿易とか順調みたいだよ。オデンの子孫が変わらず治めてるけど、世代が変わってもカイドウ達と仲良いし」
「それは嬉しいわね。世代交代で上手く行かなくなるのはよく聞く話ですもの」
「だなぁ」
「じゃぁ、ワノ国に降りようか。あ、でもどこも誰かの所有地だ。しっかりした国作りしてるねぇ、ちゃんと使ってるみたいだし」
「ならカイドウに鬼ヶ島の山に降りていいか聞いてみようか」
「そうしてもらえる?」
そんな話をして、和が紋を出してカイドウと話し出す。
「何も問題ないけどフジミヤにも声かけた方が良いから、一回みんなで電話で話そうだって」
私もフーを呼んでくるよといなくなったので、黒電話を出して準備していれば二人でやって来た。
「こっちの世界と繋がったってのは本当か!」
「はい。ほら、ワノ国と、ここが鬼ヶ島ですよね?」
世界樹の虚に映し出された見慣れた景色に、目を見開いて嬉しそうに力を抜く。
「意外に、早かったな」
「私が頻繁に出入りしてるからとか?」
「それはあるかも知れないわね」
「なら和が狩場にしてる世界にも案外すぐ行けるかもな」
「あの世界も凄いよね。星自体も成長してまだ大きくなってるみたいだし、それでなくても全部見られてないと思うよ」
「この世界では何が見られるかな?」
「あんま期待すんなよ」
「治安は確かに良くないようですが、電伝虫やスマートタニシなど、面白い生物は多そうですよ」
「ねぇ、あの子達うちの環境に順応できないかな?」
「ここで生きていけねぇ生物なんざいる訳ねぇだろ」
そんな話をしながら、用意していた黒電話でワノ国、百獣海賊団、白ひげ海賊団の三者と繋がるように中心のボタンを押した。
『はい、こちら白ひげ海賊団』
「お久しぶりです。みのり屋の茂です」
『みのり屋様!ご連絡ありがとうございます!』
「お久しぶりです」
『茂~~!この世界に繋がったってのは本当か〜?!』
『カイドウさんより先に話してんじゃねぇ肉野郎!』
『電話の近くで暴れねぇでくれっ』
『ウォロロ〜!おめぇらが来んのを待ってたぜぇ〜!』
『は?』
『え?』
「実は今回、そちらの世界と繋がったんですよ。なのでお邪魔する前にご連絡をしようと思いまして」
電話の向こうで騒ぎ出した白ひげ海賊団とワノ国の電話係だろう男がちょっと待っていてくれと大騒ぎをしている声を聞き、カイドウがまた笑い出す。
そして、数分もかからない内にフジミヤとニューゲート、マルコが電話口にやって来た。後ろでざわついている声も聞こえるのでスピーカーモードで通話しているのだろう。
『この世界とつながったってぇのは本当か?』
「はい、和ちゃんとフーさんにも確認してもらいましたので間違いないですよ」
『なんと!まさか生きて皆様にお会い出来るとは思いもしませんでした!』
『いつこっちに来んだ?繋がったって事は全員揃ってんだろい?』
「そうなんですけど、私達が最初に降りる場所って山なので、カイドウさんの所の山を貸していただけないかと思って」
『いくらでも使っていいぞ!』
『我が国にも山はあります!お使いくだされ!』
「ワノ国の山って全部所有地だったから、不法侵入になったら大変だろ」
「私達って国籍どころか出身国もないからね」
「山に降りるのも"木を隠すなら森"みたいな意味ですし」
「私と榊ちゃんみたいに、分かりやすく欠損があったりすれば山に捨てられたのでひっそり暮らしてましたが通用するしねぇ」
「するする〜」
『軽〜・・・』
『手付かずの山を作らねば!!』
『今回は諦めろ』
『百年しかねぇんだからなぁ!とっとと遊びに来い!』
「ありがとうございます。そちらで何をして過ごすかもまだ決めていませんから、まずは皆さんにご挨拶をしてからですね」
お土産に果物を沢山持って行くから好きなものを食べてくれと言い、明日にでも一度降りると言ってから通話を終えた。
「明日か、ワノ国の奴らも来るだろうな」
「島が近いからよく行き来してるもんね」
「なら食べ物とかも持って行った方が良い?」
「和ちゃんが見つけてくれた生き物を品種改良した子たちがいい感じに増えてきたから、少し持って行こうか」
「ならうちのみんなにも手伝ってもらおうかな」
「あんまり美味過ぎるもん持ってくんなよ。あいつ等が用意したもんが霞んで落ち込むぞ」
「そんな事気にしなくて良いのにな」
「その言葉通りに、本気で気にしねぇ奴なんか一握りしかいねぇよ」
「じゃあどうしようか」
「とりあえず明日は果物だけにしたらいいんじゃないかしら」
「そうだね。ご飯が足りなかったりしたら戻って来ても良いんだし」
「じゃぁ、おつまみになる様なおかずと、お結びをストックしておこうかな」
「巨大米も頼むわ」
「あれ美味しいよね」
「ワノ国でも定着したって言ってたし、フーたちも遠征の時に持っていったりしてるよね」
「ああ。まぁ、このピアスがありゃ、食料と水の確保なんざどうとでもなるがな」
茂が造った無限収納バック機能付きのピアスを触りつつ、恩恵に預かっているからこそ分かるみのり屋の異常な力をどうやって隠すかと悩む。
「お前ら、こっちの世界でなにやるか決めてねぇんだよな?」
「はい。繋がったのも今日ですし」
「昨日優が生まれたばかりだから、もう少しゆっくりしてから考えるつもりだよ」
「こっちの世界にゃ世界樹を神だと崇めてる奴はあんま聞かねぇが、その聞かねぇ理由は世界樹から生まれた奴らがまだ生きて世界政府の裏から手を回してるからだ。お前らが神かどうかの事実は関係なく、バレりゃ自由に動けなくなんのは確定だぞ」
「それはちょっと困りますね?せっかく初めて来る世界なのに」
「その辺の事情に詳しいのはマルコかな?この世界の世界樹が初めて生んだ魔族だって言ってたし」
「ではお話を聞くまであまり出歩かないほうが良いかもしれませんね」
「フジミヤにお願いしたらワノ国を案内してくれるかも知れないよ」
「ワノ国って面白いよね。みんな着物着てるし、親近感が湧くよ」
「一国をじっくり見られるだけでも十分楽しそうよね」
キャッキャッと盛り上がっている数名を見て、その夫たちに改めて釘を指す。
和がどこの世界でどの様に捕まったのかは知らないが、こちらの世界では警戒していても人攫いや殺人などが日常茶飯事。四皇の百獣海賊団が治安維持に全面協力、さらに同じ四皇である白ひげが定期的に来るという条件まで揃っているのに外からくる海賊や海軍、世界政府が何かしらの問題を起こしていくのだ。これ以上に対策の取りようがない程に手を回してこれなのだから、警戒などいくらしても足りないと言う。
「使徒族はまずいねぇだろうが、他の種族はそこら中にいる。特に妖精種だ。コイツらを気に入ってねぇ奴らは別にいい。ただ絡んでくるのを潰せば済む。だが気に入られりゃ話は違ぇ」
死んでも地の果まで追ってきて側にいようとするぞと低い声を出した。
「人間種の中じゃミンク族か。こいつ等の異質さにすぐ気づくだろうな。精霊種はわざわざ言うまでもねぇ。あいつらに人間で通すのは限度がある。出来るだけ一人にすんなよ」
「そういう意味では、紛れるには人間の国が一番向いているかもしれませんね」
「中には鋭い者もいるがな」
「しばらくはワノ国で様子を見るか」
話し合いも終わり、ひなた達に手伝ってもらいながら世界樹の果物を集めて過ごした。