番外編 ⑤秀麗な狩人
白ひげの船でお世話になっていた時
進は性別にこだわりがない。それは自他ともに認めるものだ。
まるで植物のように一日を静かに過ごしているので、当たり前のように性欲もないと、誰もが思っていた。
「あるぞ。そりゃぁ”人”だからな」
「あるの!?」
「俺が発散させてやる!」
「落ち着け」
「そりゃただのセクハラだ」
「あるんなら余計男が風呂入ってる時にくんなよ!」
「いや、それと関係あるか?」
「あるだろ!!」
「見ただけじゃ分からんだろ」
「そう言う事じゃねぇ!」
「マジで気をつけてくれよい。ゾオンにゃそういうのに敏感な奴だっていんだぞ」
「そうは言うが、マルコは気づかなかっただろ?」
「は?」
「他はどうか知らんが、わしの
他の奴も寝たらおさまるのかと聞かれ、シンッとした食堂でエースが崩れ落ちて腕に顔を埋めながら泣いた。
「寝たらおさまんのか」
「おさまるな」
「ちなみに、頻度は高ぇか?」
「さぁ、どうだろうな?年に一、二回くらいだ」
「発情期のある動物だってその時期は盛んだぞ!寝たらおさまるってなんだ!!」
「そう言われてもな、やっぱりこれは薄い方なのか」
「薄いどころか極薄だ」
「そうか。まぁ、なんとなくそんな気はしてた」
そんな話をした日、何人ものクルーがエースにちょっと優しくした。