ゆめびとかのじょ
名前変更 & 説明
せつめい◆夢主基本スペック(田の脳内夢主像)
sex:♀
age:22才~
position:社会人
・トリップ
・夢主が可哀想な目にあうかも
・時折行き当たりばったり
・お相手未定
・読み手≠主人公
苦手なお方はそっとお戻りください。
田は、単行本派なので原作の流れ・キャラの把握は遅めです。
ご了承お願いします。
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ポッポー
ポッポー
(……? なにかきこえる……)
鼓膜を揺らす音に、意識が浮上する。
目を開けると白い天井がぼんやりと見えた。
どうやら寝ていたらしい。体を起こそうとして、ずきりと痛みが走る。
(いっ、た……)
腕を庇いつつ体をなんとか起こして、ベッドの上に足を延ばして腰掛けた。後ろの壁に背を預ければ、腕が無駄に動かないよう固定出来て、多少痛みが和らぎ、詰めていた息を吐く。
(包帯……)
凍っていた腕には包帯が巻かれ、処置がされていた。服の上から、患部にだけ厚手の布があてがわれている。恐らくこれ以上冷やさない為の処置なのだろう。
周囲を見渡せど、何もない部屋。窓は開いていて、カーテンが風にそよいでいる。事務机のようなものもそばにあるが、誰かが使っていたような気配もない。
(……あれから、どれくらい経ったんだろう)
もう、ここが夢だとは思わない。
気を失う前に望んだ儚い願いも、今私がここにいるという理由で、叶わなかったことを思い知る。
でも、当初よりも落ち着いたとは思う。気持ちの整理も少しずつなら付くだろう。いつまでもいい大人が、泣いて絶望してはいられない。誰も助けてくれないのだから。元の世界でも、それは同じこと。
助ける、といえば。
生きている、ということは私に現実を突き付けてきた彼、青雉さんが助けてくれたのだろうか。
しかし青雉さんが私にそこまでする義理はない。だとすると、あのまま気絶した私を捨て置いて何処かへ行ってしまったか。そして私は街の優しい人に助けられて今に至る。
(後者であってほしいけど、都合が良すぎる)
漏れたため息。とりあえずこれからどうしようかと目を瞑り考えていれば、ぽすん、と足元に僅かな重みを感じた。
薄く目を開けてそちらに視線を向ければ、
「ポッポー」
「、は」
鳩が、いた。
「え、鳩……だよね?」
白い細身の鳥が、何故か目の前にいた。
窓が開いているので、何かが侵入しても不思議ではないけれど、その鳥の胸元にどうしても視線が吸い寄せられる。
「ネクタイしてる……」
ちょん、と黒いネクタイが確かにそこにはあった。ネクタイを着けている鳥なんて初めて見た。
恐る恐る手を伸ばせば、つんつんと軽くつつくだけで、嫌がりもせずにそのまま触らせてくれた。やはり誰かのペットなのだろうか。ずいぶん人に慣れている。
「はじめまして……ごはん持ってなくてごめんね。もしかして、ここってキミのお家?」
小指で嘴と皮膚の境目を優しく撫でながら試しに聞いてみる。大人しくされるがままのネクタイくんからは、当たり前だが答えが返ってくるはずもなく。
(どうしたものかな……)
家主なり、誰かに話を聞きに行きたかったのだが、足元に落ち着いてしまったネクタイくんを退かす訳にもいかず、動くに動けない。
(まあ……いい、か)
束の間の安らぎを今は全力で噛み締めよう。
(鳩と彼女の生物セラピー)