蝶と現代人
夢主 名前変更
せつめい◆夢主基本スペック(田の中での夢主ってだけ)
sex:♀
age:22才~
position:社会人
character:面倒くさがり
・逆トリップ
・読み手≠主人公
・ジャンル迷子
苦手なお方はそっとお戻りください。
ゲームは幸村伝までプレイ済み。
ご了承お願いします。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
不思議な世界に迷い込んでしまった、と大谷吉継は考える。
気がつけば、見たこともない屋敷に自分が居て。外に出ようとこれまた今まで見たことのない様な装飾の扉を数珠で壊そうとすれば、弾かれ、結界が張ってあったのかと驚く間もなく全力を込めた数珠は倍の力で自分に返ってきた。咄嗟に防御姿勢をとったが思いもしなかった結果に判断が遅れ、すっ飛ばされ気を失った。
そして最初に出逢った家主の女、なまえは話を聞くなり追い出そうとし、無理と分かればあっさり諦めた。
何か謀でもあるのかと思えば、めんどくさいとしか言わず。
「まこと、奇妙よなぁ」
奇妙と言えば。輿がないと動けない自分になまえは平気で触れる。身体の全てを包帯で隠されていると言うのに、あの者は特に何を言うでもなく、自分に普通に接している。
食事の時も、お互いが同じ皿の料理を自分が口付けた箸で取ることに対しても全く気にしていないようであった。
此の世界はそれが普通なのかと、暇つぶしにはなるからと言ってあの者が付けた、てれびとやらを見ていると、なまえのような態度はやはり珍しいようだ。自分と同じように包帯が巻かれ寝ている男の周りには悲痛な顔をした人々が涙に暮れている。
しかし自分のコレは怪我ではない。
決して治らず、触れれば其の者にも瞬く間に不幸を撒き散らす。
そんな、醜く死に絶える己の為に涙を流す者など居ない。
きっとコレが何か知らないから、あの者は普通に接しているのだ。
知ればきっと離れていく。
怯えと恐怖に染まった目で此方を見ながら、気味が悪い化け物め、と陰口を囁き、離れていくのだ。
もし。
もし、コレを知ったら彼女はどうする?
此処に居て良いと言ってしまった手前あからさまにではなくとも、自分を避けるだろうか?
それとも追い出す為には手段を選ばなくなるだろうか?
どちらにせよ、病に冒された自分と衣食住を共にする事にいい顔はしないだろう。
(……ダカラ)
(ダカラ何だと言うのだ)
自分は此の世界の住人では無い。
戻れる保証は無いが、戻れないという確証も無い。
いずれ其の時が来るまでの、此処は言わばよりしろ、足場に過ぎない。
他人に自分がどの様に見えているかなぞ興味もない。利用出来るモノは何だって利用する。何食わぬ顔で。
(アチラ側でもわれはそうして生きてきた故ナァ)
どろりと胸に渦巻く薄暗い感情。
慣れた感覚に大谷は目を閉じた。