蝶と現代人
夢主 名前変更
せつめい◆夢主基本スペック(田の中での夢主ってだけ)
sex:♀
age:22才~
position:社会人
character:面倒くさがり
・逆トリップ
・読み手≠主人公
・ジャンル迷子
苦手なお方はそっとお戻りください。
ゲームは幸村伝までプレイ済み。
ご了承お願いします。
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ガチャリと鍵の回る音を立てて、ドアを開ける。
そこには買い物に行く前と何ら変わりのない風景が広がっている。
……ハズだった。
「ぁえ?」
変な声が出た。
だって、なんでリビングに繋がるドアが外れて……というかあれは壊れているのか。あの木の屑はなんだ。誰が掃除するんだ。私しかいないな。
ぐるぐる思考が巡るなか、辿りついた結論は、もしかして空き巣……だろうかということ。
「……」
静かに靴を脱ぎ捨て、傘立てから一本、傘を抜き武器替わりにする。 ビニール袋をそーっと置き、これまたそーっとリビングを覗く。
リビングにも木屑が散乱していて、これはただ事ではないんじゃないかと改めて深刻さを窺わせる。
そしてリビングの奥に目を向けると、あまり見たくない光景が目に入った。
(! 人!?)
そこには、全身に包帯が巻かれている空き巣が倒れていた。
というか空き巣なのだろうか。それとも重傷人なのだろうか。ならばなぜ我が家に侵入しているのだろうか。病院行け。
動かない頭でなんとか叩き出したのは当たり前の結果で。
「……けいさつ」
ズボンのポケットから携帯を取り出し、人生の中でいまだかつて押したことのない番号へと繋げる。
「ぅ……」
「!!」
ピッ
コール音が聞こえたのと同じタイミングで、男の小さく呻く声が聞こえ、ビクッと驚いた拍子に通話終了ボタンを押してしまった。
警察にワン切りなんて、なんてことを……。小心者の心臓には悪すぎる。混乱しつつ、携帯を素早くポケットに戻し傘を持つ手に力を込める。
男の視線は暫くさまよっていたが、私を認めたようで、目を細めた。
「……」
「……」
無言。
男は何も言わずにこちらを見つめ。私も何も言わずに傘を構え。
ピリッとした空気が私たちを包んでいる様な、どこか居心地の悪さを感じる。
「……ここは」
「……はい?」
「ここはぬしの屋敷か」
口を開いた男は問いかけてくる。
「屋敷……私の家ですけど」
「ふむ」
考え込む男。
いや、「ふむ」じゃないよ。慌てる様子も逃げる気配も無くて、変に落ち着いて見えるのが物凄く気味が悪い。
「あの」
「ム、なんであろ?」
「どちら様、ですか。なんで私の家にいるんですか。不法侵入ですよね」
そこまで言って詰めてた息を吐く。
相手がいくら落ち着いていても、怖いものは怖い。知らない人物が家にいるなんて。
何故、なぁ……と私の質問を繰り返す男。
私から一切目線を外さず、ニヤァと笑う。なぜ笑った。やっぱりこの人ヤバい人か。
背筋が寒くなるのを感じつつも、男の口が再度開くのを待つ。
……なんてことをせず、さっさとその時点で警察に連絡すれば良かったんだ。
そうすれば、
「われにもなぁ」
こんな、
「何故、此処に居るのか」
こんな!
「分からぬのよ」
めんどくさい事態にならずにすんだかもしれないのに!!