蝶と現代人
夢主 名前変更
せつめい◆夢主基本スペック(田の中での夢主ってだけ)
sex:♀
age:22才~
position:社会人
character:面倒くさがり
・逆トリップ
・読み手≠主人公
・ジャンル迷子
苦手なお方はそっとお戻りください。
ゲームは幸村伝までプレイ済み。
ご了承お願いします。
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朝ご飯を食べ終えて、掃除やら洗濯やらを済ませて、今は大谷さんと二人でテレビを見ている。
旅番組の再放送を大谷さんは眺めているが、興味はあるらしい。湯飲みを手に持ったまま動かないのだから。
そんな大谷さんをひっそりと眺めつつ、明日からのことを考える。
明日は平日。
平日には何があるか。
それはもちろん、
仕事。
「あ~~どうしよ~~かな~~」
ゴツッとテーブルに頭を突っ伏して呻く私に、大谷さんは怪訝な表情。
しかし何を言うでもなく、茶を一口啜り、また意識はテレビに戻る。それを横目に見ながら、ため息をつけば、大谷さんは渋々といった様子でリモコンのボタンを押して音量を下げた。
「先程からこれ見よがしな態度は何だ」
「気付いてたなら声かけてくれてもいいじゃないですか」
「すまぬな。興味が無かった」
すっぱりと言い切る大谷さん。いっそ潔い。
「明日からの事、考えてたんですよ」
手帳を開き、仕事のシフトを確かめる。明日いきなり休むのは流石に社会人としていけない。とてもいけない。
しかし、この時期は繁忙期ほど人数が必要なこともないし、上司もさっさと帰ることが多い。
「大谷さん一人だと何かと心配ですし、まだ勝手が分からないでしょう? だから暫く休暇でも貰おうかなって思、」
「何かと思えばそんな事。我のことは気にしやるな」
休暇が無理ならば、早退ぐらいは構わないだろうなんて考えていた私の耳に入ってきたのは、大谷さんのそんな声。
「気にするなとか、無理な話では?」
「構わん」
「それは全て一人で出来るようになってからおっしゃってくださーい」
パンッ、と手帳を閉じて腰を上げた。
何も私だって、幼児に接するように大谷さんの面倒をみたい訳ではない。大谷さんが、一人ではどうしても出来ない事だけを、あくまで補佐するのが目的である。
例えばさっきだって、居間へと自主的に移動する大谷さんを段差の所で躓かないよう、少し手伝っただけ。成人男性をそう何度も抱える体力はないし、なにより大谷さんの自主性を重んじていきたい。
「そっちの世界と、ここの今とじゃ生活様式が違いすぎるんですから、分からなくて当たり前です」
要は頼ってくれということなのだが、ストレートに口にするのはどうも気恥ずかしい。
「あ、もしかして大谷さん……」
「なんだ」
「もう、やだなあ。そうならそうと言ってください」
「話の先が見えぬが」
「あれでしょ? 俺のためにお前の手を煩わせるのは心苦しいぜ、とかいう遠慮があるんですよね。わかってますわかってます」
「……」
「……無言で本読み進めるの止めてください」
現代人は、無視されると簡単に心が折れるということを教えておけばよかったか。昨日からちょくちょく無視されているんだがめげないぞ。
買い物に行ってくることを告げれば、短く「さよか」と返事があっただけマシかもしれない。