仮免試験
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ヤオモモの〝個性〟は無限にポンポン出せる訳じゃない。蓄えた脂質を源にして創っている。そのエネルギー源がいざという時に切れていては元も子もない。
「じゃあここぞという時じゃないと…迂闊に無駄なもんは出せねえ…」
「けどこのまま籠ってたら仮免に落ちちゃうよ」
「こうなりゃ強行突破しかねえだろ。あっちにあるもうひとつのドアは溶接されてないから…あのドアをぶち破って犯人をとっ捕まえてやる!んで、当てる!」
それにこんな幻覚さっさと消してほしい。
ヤオモモが幻覚だと教えてくれなかったら今頃おれはありもしない水に翻弄され、溺れてないのに手足をばたつかせていただろう。
猪突猛進で行こうとしたら障子に止められた。
「やめとけ。罠だ。当然、相手もそうすると予想して、待ち構えてる可能性がある」
ああでもないこうでもない。何か打開策はないのか?このままひたすら寒さに耐えて時間が過ぎるまで待つしかないのか?
「……この方法なら」
「ヤオモモ?何か浮かんだのか?」
「ええ。多少キツいかもしれませんが…お願いしますわ!」
言うな否やいきなりコスチュームの前をがばりと開きだした。
「わー!!」
「!!」
障子と二人で瞬時にヤオモモに背中を向けた。
び…びっくりしたぁぁ~~~!!大胆すぎる!これも幻覚か?いや、現実だ。
「ヘッドホン?」
「それをつけてください」
何をするんだろう。
今度はかなりでかいスピーカーを創り出した。
ヤオモモが考えた作戦を元におれ達は準備に取り掛かる。
「――いい?いくよ!」
耳郎の合図に皆、頷く。耳にヘッドホンを当てる
大型スピーカーから流れてきたのは高周波。
「うぐぅ…っ!」
「ケロォ…!」
「蛙吹、大丈夫か!」
「皆さん、暫しの辛抱ですわ!」
防音ヘッドホンしてるけど…それでもなかなかの破壊力だ…!
耐えろ…耐えろ…耐えろ…!
――そして、
「今ですわ!」
ヤオモモの合図で攻撃の手を止めた。すぐさまドアへと突き進み、思いっきり開けた。
そこには犯人であろう数人の他校の女生徒らが倒れていた。皆、同じ恰好してる。これって聖愛学院じゃねえか?
全員気絶している。そのおかげか、幻覚も解除された。
よかった。これでもう溺れない!
出られた事に喜ぶのも束の間、後ろからヤオモモの悲鳴。
振り向くとついさっきまでおれ達がいた極寒密室に何者かに引きずり込まれていった。
「ヤオモモ!!」
「一人、ドアの影に隠れていたのか!」
「チクショー開かねえ!今すぐ開けろ!」
ガンガンガンガン!!
ドアを叩く。
「俺がやる!」
障子が開ける。そこにはヤオモモを組み敷き、ボールを振りかぶる女生徒が。
梅雨ちゃんが舌を伸ばして女生徒の振りかぶる腕を拘束。
おれは掌から紙を細長く伸ばしてヤオモモを捉えてこっちへ引き寄せた。
「…な、何故……戻って?この子が脱落したと考えなかったの?今は仮免試験中。仲間より自分を優先…」
「アンタはそうかもしんないけど、うちらは違う」
「私達は仲間を見捨てたりしないわ」
「試験中だろうがなんだろうが、何かあった時に助けに来てくれないやつは誰も見てくれなくなるぞ」
「そして、諦めない」
「それが私達、1-Aですわ」
モノクルの女生徒はガックリと項垂れた。
「……流石、雄英。完敗ですわ」