神野の悪夢
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パニック、フリーズで思考がまとまらない。
「――…い、おい!!」
「え、あ、爆ご……Σうわぁ!?」
横から伸びてきた手を咄嗟に避ける。手の主はマジシャンの男。いつ、ここに来たんだ?マジシャン男だけじゃなく、死柄木や他の連合もいた。
「何ボーッと突っ立っとんじゃ!余計な事考えてんじゃねえ!!」
「わ、悪い…」
「ボスヤローはオールマイトが相手してる!俺らはこっから逃げんぞ!」
激しく舞い上がる土煙の向こうにはオールマイトと男が戦っているのが見えた。
オールマイトは男をオール・フォー・ワンと呼んだ。
(オール・フォー・ワンには――…)
あいつが……オール・フォー・ワン?
オール・フォー・ワンはオールマイトと互角に戦い、飄々と攻撃をいなしていく。
「爆豪少年!紙間少年!今、行くぞ!!」
オールマイトが敵連合から逃げ惑うおれ達の元へと救けに向かおうとするが、オール・フォー・ワンの指先から黒い
「オールマイト……!」
おれらがここにいるから戦いづらそうだ。かといって逃げようにも不利な状況。
四面楚歌。どうしたらいいんだ。
紙で飛んで逃げる事も考えたが、耐荷重は60キロ。訓練の成果で40ちょっと増えた。爆豪の体重は知らないが、おれのと合わせて100キロ弱ならギリいけるか……?
「ばk――」
遠くからドゴォン!!と壁が崩れる音。全員の意識がそっちに向く。
戦場を横断するように飛び出して来たのは大きな氷の橋。
あの氷は……。
先端から何かが飛び出していく。
「――来い!!」
切島が手を伸ばしてきた。
爆豪は爆破で身体を浮かして行き、その手を掴んだ。
片方の空いてる手を差し伸べてきた切島におれは紙で飛べるので、心配いらないと断る。
紙飛行機を作り、乗ろうとする。
ふと、オール・フォー・ワンの言葉が浮かんできて――乗るのをやめた。
紙飛行機は塵となって消えた。
「紙間くん……!?」
「おい!何やってんだ!!」
あの人がおれのじいちゃんなら、じいちゃんが敵なら、ヒーローを目指してるおれは一体――。
「何してんのよ…!ガキんちょはさっさとここから逃げなさい。あとは
鼻血を垂らし、脳震盪でフラつくMt.レディは地面に倒れる前に緑谷達に向かっておれを放り投げた。
「紙間!!」
切島がもう一度手を伸ばしてきた。
気がつくと、おれは切島の手を取った。
「よし!!」
「……てめェ何やってんだ!!余計な事考えるなっつたろ!!」
「爆豪くん!こんな時にやめたまえ!紙間くんだって混乱してるんだ!」
ギャアギャアと小競合いする飯田と爆豪。
おれは何者だ?
おれはヒーローを目指していいのか?
教えてくれ。おれは――一体誰なんだ?