神野の悪夢
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黒霧という逃げ場を失い、拘束されてままならない敵連合。追い討ちをかけるようにグラントリノが名前らしき単語を次々と挙げていく。
対し、各々が各々の名前にわずかな反応を見せた。反応を見る限り、どうやらこいつらの本当の名前って事か。
「少ない情報と時間の中、おまわりさんが夜なべして素姓を突き止めたそうだ。わかるかね?」
引石 健磁
迫 圧紘
伊口 秀一
渡我 被身子
分倍河原 仁
素姓を暴かれて追い詰められた5人。だが残りの3人…死柄木と黒霧と荼毘の素姓については何も言わないってことは時間内に突き止められなかったのだろうか。
それでも結構な収穫ともいえる。
「もう逃げ場ァねえってことよ。なァ、死柄木、聞きてえんだが…おまえさんのボスはどこにいる?」
ボス……死柄木が言ってた先生の事か?
「………………………………………………ふざけるな……こんな…こんな……こんなあっけなく………ふざけるな……失せろ……消えろ……」
グラントリノの質問には答えない。焦りと苛立ちからかうわ言のようにごねた。
そんな死柄木にオールマイトが強く問い質す。
「奴 は今どこにいる。死柄木!!」
「おまえが!!嫌いだ!!」
死柄木の咆哮と同時に何もない空間から黒い液体が勢いよく噴き出し、脳無が現れた。
え。脳無?
死柄木も驚いてる。こいつの指示ではなさそうだ。
「エッジショット!黒霧は……」
「気絶してる!こいつの仕業ではないぞ!」
あちこちの無空間から沸き上がってくる黒い液体。そこから脳無もどんどん出てきた。
続々と出てくる脳無をシンリンカムイが捕らえていく。数が多すぎやしねえか!?
……あれ、なんか。吐き気がする。ムカムカした何かが腹ん中からせり上がってくるような不快感。どんどんと腹から喉の辺りへ。臭いもキツくなっていく。
「……ゔ、ぎも゙ぢわ゙る゙………………ゴポッ!?」
するとおれの口から黒い液体が溢れ出す。爆豪も黒い液体を吐いている。
なんだこれは!!
臭い。苦しい。溺れる。飲まれる。
何がなんだか分からないまま、おれと爆豪は黒い液体に飲み込まれていった。
▼▽▼
「ゲッホ!くっせぇぇ……。なんっじゃこりゃあ!」
「うええっ……マジでくせぇよ…!口濯ぎてえ…溺れ死ぬかと思った……」
本当だよ。なんなんだ。いきなり謎の黒い液体を強制的に吐かされたかと思ったらさっきまでいたアジトとは違う場所に立たされていた。もしかしてあのゲロはワープ的なやつなのか?
未だ口ん中に残ってる悪臭を放つ液体を一滴残らず吐き出そうとえずく。
うぷっ……まだ気持ち悪ィ……苦しい……。ゲロでワープって、どういう仕組みになってんだよ……。
「悪いね。爆豪くん、紙間くん」
「あ゛!?」
不気味なドクロを模した黒いマスクで顔全体を覆い、スーツ姿の男は突然、目の前に現れた。いや、おれらが目の前に現れたといった方が正しいのか?
「――久しぶりだね伊織。すっかり大きくなって」
「…………………は?」
何言ってるんだこいつは。
「15年ぶりか……元気にしていたかい?」
久しぶり?初対面なのに?
まるで再会したように懐かしむ男は訝しげな態度のおれに気付く。
「……ああ、そうか。君はまだうんと小さかったから覚えてないんだ。こんなに軽くて小さかったんだよ。あの時はまだ首が座ってなかったから、緊張したな。永い人生で赤ン坊を抱っこするなんてそうそう無かったからね、いい経験だったよ」
何を言ってんのか把握できない。
話の内容は分かんねえけど、何か、こいつは得体の知れねえ恐ろしい者だと頭ン中で警報が鳴ってる。
今すぐ逃げろ。こいつに捕まっちゃならねえ。……ならねえのに、この周囲に広がる抉れたような更地、崩れた建物。
これは、この目の前にいる男がやったものなのか?
もしそうだとしたら、一体何者なんだ?
「お母さんの事は残念だったね。でも君が元気そうで“おじいちゃん”は嬉しいよ。」
対し、各々が各々の名前にわずかな反応を見せた。反応を見る限り、どうやらこいつらの本当の名前って事か。
「少ない情報と時間の中、おまわりさんが夜なべして素姓を突き止めたそうだ。わかるかね?」
引石 健磁
迫 圧紘
伊口 秀一
渡我 被身子
分倍河原 仁
素姓を暴かれて追い詰められた5人。だが残りの3人…死柄木と黒霧と荼毘の素姓については何も言わないってことは時間内に突き止められなかったのだろうか。
それでも結構な収穫ともいえる。
「もう逃げ場ァねえってことよ。なァ、死柄木、聞きてえんだが…おまえさんのボスはどこにいる?」
ボス……死柄木が言ってた先生の事か?
「………………………………………………ふざけるな……こんな…こんな……こんなあっけなく………ふざけるな……失せろ……消えろ……」
グラントリノの質問には答えない。焦りと苛立ちからかうわ言のようにごねた。
そんな死柄木にオールマイトが強く問い質す。
「
「おまえが!!嫌いだ!!」
死柄木の咆哮と同時に何もない空間から黒い液体が勢いよく噴き出し、脳無が現れた。
え。脳無?
死柄木も驚いてる。こいつの指示ではなさそうだ。
「エッジショット!黒霧は……」
「気絶してる!こいつの仕業ではないぞ!」
あちこちの無空間から沸き上がってくる黒い液体。そこから脳無もどんどん出てきた。
続々と出てくる脳無をシンリンカムイが捕らえていく。数が多すぎやしねえか!?
……あれ、なんか。吐き気がする。ムカムカした何かが腹ん中からせり上がってくるような不快感。どんどんと腹から喉の辺りへ。臭いもキツくなっていく。
「……ゔ、ぎも゙ぢわ゙る゙………………ゴポッ!?」
するとおれの口から黒い液体が溢れ出す。爆豪も黒い液体を吐いている。
なんだこれは!!
臭い。苦しい。溺れる。飲まれる。
何がなんだか分からないまま、おれと爆豪は黒い液体に飲み込まれていった。
▼▽▼
「ゲッホ!くっせぇぇ……。なんっじゃこりゃあ!」
「うええっ……マジでくせぇよ…!口濯ぎてえ…溺れ死ぬかと思った……」
本当だよ。なんなんだ。いきなり謎の黒い液体を強制的に吐かされたかと思ったらさっきまでいたアジトとは違う場所に立たされていた。もしかしてあのゲロはワープ的なやつなのか?
未だ口ん中に残ってる悪臭を放つ液体を一滴残らず吐き出そうとえずく。
うぷっ……まだ気持ち悪ィ……苦しい……。ゲロでワープって、どういう仕組みになってんだよ……。
「悪いね。爆豪くん、紙間くん」
「あ゛!?」
不気味なドクロを模した黒いマスクで顔全体を覆い、スーツ姿の男は突然、目の前に現れた。いや、おれらが目の前に現れたといった方が正しいのか?
「――久しぶりだね伊織。すっかり大きくなって」
「…………………は?」
何言ってるんだこいつは。
「15年ぶりか……元気にしていたかい?」
久しぶり?初対面なのに?
まるで再会したように懐かしむ男は訝しげな態度のおれに気付く。
「……ああ、そうか。君はまだうんと小さかったから覚えてないんだ。こんなに軽くて小さかったんだよ。あの時はまだ首が座ってなかったから、緊張したな。永い人生で赤ン坊を抱っこするなんてそうそう無かったからね、いい経験だったよ」
何を言ってんのか把握できない。
話の内容は分かんねえけど、何か、こいつは得体の知れねえ恐ろしい者だと頭ン中で警報が鳴ってる。
今すぐ逃げろ。こいつに捕まっちゃならねえ。……ならねえのに、この周囲に広がる抉れたような更地、崩れた建物。
これは、この目の前にいる男がやったものなのか?
もしそうだとしたら、一体何者なんだ?
「お母さんの事は残念だったね。でも君が元気そうで“おじいちゃん”は嬉しいよ。」