神野の悪夢
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この状況じゃ外してはくれなさそうだ。
鍵のかけ忘れで実は施錠されていなかったラッキーとか……………………うん、そんな都合よく起こらないか。
鍵を持ってるのはあのトゥワイスという男だ。しかしどうやって奪う?
手枷を付けられてもおれは肌が出ている部分なら〝個性〟は使える。
強度を少し上げた紙縒 でピッキングするが鍵穴の途中でぐにゃりとなってしまった。
ならば本物の鍵をくすねるしかない。セルロース紙をトゥワイスの持ってる鍵へと伸ばしていく。
よし、バレてない。これならイケる。集中力を途切れないように細心の注意を払いながら……焦らず……冷静に……。
「おい!さっきからてめえ何、ジロジロと見てんだよ!」
「あっ」
集中力が切れてしまう。
「ん?なんだ透明な紙?知ってるぜ、こんなもん、最初 っから気付いてた!全く気が付かなかった、危ない所だったぜ!」
更には紙の存在がバレてしまった。
クソッ、あと少しだったのに。こうなれば……
「外してくれ!」
直球だ!!
「なんだ鍵が欲しいのか?いやだね!一生これで過ごすんだな!いいぜ!お安いご用さ!」
どっちなんだよ。おれとしては後者の方がありがたいんだけど。
「仲間になるなら外してあげます!そして血をチウチウさせて?」
女子高生が言う。
「血?え?やだ断る。それに腹壊すぞ。血液に病気持ってる人とかいるかもしれねえだろ」
「敵 の心配してんじゃねえよ!!」
「心配してくれてありがとう伊織ちゃん。定期検診はちゃあんと受けてるので大丈夫。だから刺すね?」
女子高生はポケットから注射器を取り出して、ニコニコと近付いてきた。ニコニコっつーより、ハァハァしてね?え、ヤバくね?
「いやだ!やめろ!おれは注射が嫌いなんだ!来るな!」
「ガキかよ」
うるせえ継ぎ接ぎ野郎。嫌いなもんは嫌いなんだよ。
「恐くないですよ。優しくしてあげます。伊織ちゃんの味、知りたいなぁ。お友達になってオソロでお出掛けしましょうね…」
「いやいやいや、おれなんて食べてもおいしくないよ!爆豪は辛いもんばっか食っててこいつの血は唐辛子で出来てるし!」
「誰の血が唐辛子だゴラァ!!」
チクショウ!拘束が外れさえすれば……。
「トガ……やめろ……手を出すなよ……おまえら、こいつらは……………大切なコマだ」
死柄木は床に落ちた手のオブジェを拾いあげ、元の位置 に戻した。
トガと呼ばれた女子高生はちぇっ、と口を尖らせながら注射器をポケットにしまった。
「出来れば、少し耳を傾けて欲しかったな…。君達とは分かり合えると思ってた……」
「ねぇわ」
「同じく」
「仕方がない。ヒーロー達も調査を進めてると言ってた…。悠長に説得してられない」
性急だろうが悠長だろうがおれらは死んでも敵側に付かねえよ。
死柄木はおれらや仲間の方ではなく、テレビの方へと向けた。
「先生、力を貸せ」
「………………良い判断だよ、死柄木弔」
テレビから重々しく不気味な声が聞こえてきた。
「先生ぇ……?てめェがボスじゃねえのかよ…!白けんな」
「黒霧、コンプレス、また眠らせてしまっておけ。荼毘、紙間 連れて行け」
「ここまで人の話聞かねーとは…逆に感心するぜ」
「聞いて欲しけりゃ土下座して死ね!」
「拘束外してくれたら話だけは聞いてやるよ」
まぁ、お涙頂戴の人情話してもどっち道、断る気しかねえけどな。
(――ニげて、はやく、ここから)
え。何、今の。
思わず辺りを見渡す。
なんだ?今のは。
声音からして女性だけど、女子高生…もといトガの声ではなさそうだ。
(オール・フォー・ワンにはキをツけて)
……………誰だオール・フォー・ワンって、あんたは誰だ。
「どーもォ、ピザーラ神野店でーす」
全員の意識がドアに向けられる。
次の瞬間、ドアとは別の方向の、壁が勢いよく突き破られた。
鍵のかけ忘れで実は施錠されていなかったラッキーとか……………………うん、そんな都合よく起こらないか。
鍵を持ってるのはあのトゥワイスという男だ。しかしどうやって奪う?
手枷を付けられてもおれは肌が出ている部分なら〝個性〟は使える。
強度を少し上げた
ならば本物の鍵をくすねるしかない。セルロース紙をトゥワイスの持ってる鍵へと伸ばしていく。
よし、バレてない。これならイケる。集中力を途切れないように細心の注意を払いながら……焦らず……冷静に……。
「おい!さっきからてめえ何、ジロジロと見てんだよ!」
「あっ」
集中力が切れてしまう。
「ん?なんだ透明な紙?知ってるぜ、こんなもん、
更には紙の存在がバレてしまった。
クソッ、あと少しだったのに。こうなれば……
「外してくれ!」
直球だ!!
「なんだ鍵が欲しいのか?いやだね!一生これで過ごすんだな!いいぜ!お安いご用さ!」
どっちなんだよ。おれとしては後者の方がありがたいんだけど。
「仲間になるなら外してあげます!そして血をチウチウさせて?」
女子高生が言う。
「血?え?やだ断る。それに腹壊すぞ。血液に病気持ってる人とかいるかもしれねえだろ」
「
「心配してくれてありがとう伊織ちゃん。定期検診はちゃあんと受けてるので大丈夫。だから刺すね?」
女子高生はポケットから注射器を取り出して、ニコニコと近付いてきた。ニコニコっつーより、ハァハァしてね?え、ヤバくね?
「いやだ!やめろ!おれは注射が嫌いなんだ!来るな!」
「ガキかよ」
うるせえ継ぎ接ぎ野郎。嫌いなもんは嫌いなんだよ。
「恐くないですよ。優しくしてあげます。伊織ちゃんの味、知りたいなぁ。お友達になってオソロでお出掛けしましょうね…」
「いやいやいや、おれなんて食べてもおいしくないよ!爆豪は辛いもんばっか食っててこいつの血は唐辛子で出来てるし!」
「誰の血が唐辛子だゴラァ!!」
チクショウ!拘束が外れさえすれば……。
「トガ……やめろ……手を出すなよ……おまえら、こいつらは……………大切なコマだ」
死柄木は床に落ちた手のオブジェを拾いあげ、
トガと呼ばれた女子高生はちぇっ、と口を尖らせながら注射器をポケットにしまった。
「出来れば、少し耳を傾けて欲しかったな…。君達とは分かり合えると思ってた……」
「ねぇわ」
「同じく」
「仕方がない。ヒーロー達も調査を進めてると言ってた…。悠長に説得してられない」
性急だろうが悠長だろうがおれらは死んでも敵側に付かねえよ。
死柄木はおれらや仲間の方ではなく、テレビの方へと向けた。
「先生、力を貸せ」
「………………良い判断だよ、死柄木弔」
テレビから重々しく不気味な声が聞こえてきた。
「先生ぇ……?てめェがボスじゃねえのかよ…!白けんな」
「黒霧、コンプレス、また眠らせてしまっておけ。荼毘、
「ここまで人の話聞かねーとは…逆に感心するぜ」
「聞いて欲しけりゃ土下座して死ね!」
「拘束外してくれたら話だけは聞いてやるよ」
まぁ、お涙頂戴の人情話してもどっち道、断る気しかねえけどな。
(――ニげて、はやく、ここから)
え。何、今の。
思わず辺りを見渡す。
なんだ?今のは。
声音からして女性だけど、女子高生…もといトガの声ではなさそうだ。
(オール・フォー・ワンにはキをツけて)
……………誰だオール・フォー・ワンって、あんたは誰だ。
「どーもォ、ピザーラ神野店でーす」
全員の意識がドアに向けられる。
次の瞬間、ドアとは別の方向の、壁が勢いよく突き破られた。