11番くんのヒミツ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
土曜日。
本日の授業と復興再建活動が終わって寮に戻ったおれは軽くシャワーを浴びて汗と汚れを落とし、前日にまとめておいた荷物を引っ提げた。
今日…というか明日帰省する。
静岡から徳島までは遠いし早めに寮を出る事にした。
「おあっ」
目の前にタオルが視界を遮った。な、なんだ。
「髪がまだ濡れてる」
障子がおれの髪をタオルで包みながら拭いていく。
「ちゃんと拭いたぞ。汗じゃないのか。夏だから」
あれって本当にどうにかなんねえのかな。汗流したくて風呂入ってんのに、出る頃には汗腺開きっぱなしだもんな。
実家にいた頃は体の熱が冷めるまでパンツ(主にトランクスかボクサー。小学までは女児パンツだった)と腹巻きのみだったしな。上?タオルを掛けてたし、お互いそんなの気にしない。おれも父ちゃんもそういう族である。
とはいえ、腹冷やしちゃいけないって父ちゃんから言われてるから大事なところはしっかりきっちりちゃんと守ってる。
ガキの頃は服が苦手で気付けばしょっちゅう脱いでたもんなおれ。どっかの大泥棒みたいに。全裸で駆け回る五歳児相手に父ちゃんは大変だったろうな。山奥だから人目につかなかったのは不幸中の幸いか。
寮だとおいそれと半裸で過ごすワケにいかない。峰田の前におれがお縄になっちまう。いや、峰田も掴まっちゃダメだけど。
しかし、なんとなんとあっと驚く為五郎。脱衣所にエアコンが。雄英すげえ。心の麗日が豪邸やないかいと卒倒した。
「夏でも油断してると風邪はひくぞ。俺達ヒーローは体が資本なんだ」
「アイアイサー!」
夏のカラッとした空気のおかげか、タオルドライのみで大分乾いてきた。
「ありがとう障子。んじゃ、皆いってきます」
「いってらっしゃーい」
一泊のみなのでそんなに多くはない荷物を持とうとしたら、ひょいと奪われた。障子に。
「駅まで送る」
「え」
「何時乗りだ」
「あ、えーっと……19時の…」
アプリで予約した新幹線の時間を答える。
「なら余裕があるな。他に荷物は?」
「いや、泊まんの1日だからそれのみ……ってえ?あっ障子待ってくれ!靴履くから」
なんだかんだでおれは障子に送られる事になった。
「今年は夏休み少ないってよ」
「らしいな」
やれ蛇腔・群訝山荘戦、やれ第二次決戦で学校生活にストップかかってしまったために遅れた分の授業を取り戻してる最中だ。
「でも体育祭やれたのはすごいな」
こんな時に体育祭やっていいのか?
という意見が飛んできたけど
「こんな時だからこそだよ」という校長の判断で体育祭をやることになった。といっても縮小だけどな。楽しかった。
校舎だけじゃなくスタジアムまでも酷く倒壊されていたが今ではすっかり元通りに。流石は雄英。三日で寮を建てただけある。
校舎も仮校舎から本校舎へ移ったのが二週間前だ。
「つーか、障子も出掛ける用があったんだな」
「学校が終わってすぐに外出届けを受理してもらった」
「それはまた急だな。買いたいモンでもあるのか?ノートや食いモンは学校に売ってるから…」
売店には雄英指定の文具や日用品、飲みもん、麦太郎おじさんの手作りパンを中心に軽食やおやつが売ってある。ランチラッシュのご飯と並ぶくらいめちゃくちゃ人気で昼休み前には既に売り切れになるため、生徒は専ら午前中の昼休みを利用して買いに行く。特にカレーパン、コロッケパン、卵サンドイッチは争奪戦が激しい。おじさんは雄英の卒業生でもなければヒーロー科でもない。丸メガネが特徴のふくよかなおじさんだ。昔、どっかで殺し屋を……ではなくて幼稚園の先生を経て引退した後は趣味のパン作りを活かしてパン屋に。偶然その店のパンにハマッた当時の先生が雄英でもパンを卸してほしいと熱願して今に至るらしい。おれも食べた事あるけど美味かった。メロンパン。
米のランチラッシュ、パンの麦太郎おじさん。なんだか某高校生探偵の紹介みたいになったな。
しまった。話がパンにずれてしまった。パンが食べたくなってきた。米派なのに。駅に着いたらコンビニで買おう。
「わかった。洗剤だ。切らしたんだ」
「いや。まだ余裕がある」
「ハズレか。じゃあシャンプー」
「そもそも用は買い物じゃない」
「え。そうなのか。てっきり。じゃあ何だ?誰かに会うんだな」
「紙間」
見上げると夕焼けが始まっていた。
「――好きだ」
本日の授業と復興再建活動が終わって寮に戻ったおれは軽くシャワーを浴びて汗と汚れを落とし、前日にまとめておいた荷物を引っ提げた。
今日…というか明日帰省する。
静岡から徳島までは遠いし早めに寮を出る事にした。
「おあっ」
目の前にタオルが視界を遮った。な、なんだ。
「髪がまだ濡れてる」
障子がおれの髪をタオルで包みながら拭いていく。
「ちゃんと拭いたぞ。汗じゃないのか。夏だから」
あれって本当にどうにかなんねえのかな。汗流したくて風呂入ってんのに、出る頃には汗腺開きっぱなしだもんな。
実家にいた頃は体の熱が冷めるまでパンツ(主にトランクスかボクサー。小学までは女児パンツだった)と腹巻きのみだったしな。上?タオルを掛けてたし、お互いそんなの気にしない。おれも父ちゃんもそういう族である。
とはいえ、腹冷やしちゃいけないって父ちゃんから言われてるから大事なところはしっかりきっちりちゃんと守ってる。
ガキの頃は服が苦手で気付けばしょっちゅう脱いでたもんなおれ。どっかの大泥棒みたいに。全裸で駆け回る五歳児相手に父ちゃんは大変だったろうな。山奥だから人目につかなかったのは不幸中の幸いか。
寮だとおいそれと半裸で過ごすワケにいかない。峰田の前におれがお縄になっちまう。いや、峰田も掴まっちゃダメだけど。
しかし、なんとなんとあっと驚く為五郎。脱衣所にエアコンが。雄英すげえ。心の麗日が豪邸やないかいと卒倒した。
「夏でも油断してると風邪はひくぞ。俺達ヒーローは体が資本なんだ」
「アイアイサー!」
夏のカラッとした空気のおかげか、タオルドライのみで大分乾いてきた。
「ありがとう障子。んじゃ、皆いってきます」
「いってらっしゃーい」
一泊のみなのでそんなに多くはない荷物を持とうとしたら、ひょいと奪われた。障子に。
「駅まで送る」
「え」
「何時乗りだ」
「あ、えーっと……19時の…」
アプリで予約した新幹線の時間を答える。
「なら余裕があるな。他に荷物は?」
「いや、泊まんの1日だからそれのみ……ってえ?あっ障子待ってくれ!靴履くから」
なんだかんだでおれは障子に送られる事になった。
「今年は夏休み少ないってよ」
「らしいな」
やれ蛇腔・群訝山荘戦、やれ第二次決戦で学校生活にストップかかってしまったために遅れた分の授業を取り戻してる最中だ。
「でも体育祭やれたのはすごいな」
こんな時に体育祭やっていいのか?
という意見が飛んできたけど
「こんな時だからこそだよ」という校長の判断で体育祭をやることになった。といっても縮小だけどな。楽しかった。
校舎だけじゃなくスタジアムまでも酷く倒壊されていたが今ではすっかり元通りに。流石は雄英。三日で寮を建てただけある。
校舎も仮校舎から本校舎へ移ったのが二週間前だ。
「つーか、障子も出掛ける用があったんだな」
「学校が終わってすぐに外出届けを受理してもらった」
「それはまた急だな。買いたいモンでもあるのか?ノートや食いモンは学校に売ってるから…」
売店には雄英指定の文具や日用品、飲みもん、麦太郎おじさんの手作りパンを中心に軽食やおやつが売ってある。ランチラッシュのご飯と並ぶくらいめちゃくちゃ人気で昼休み前には既に売り切れになるため、生徒は専ら午前中の昼休みを利用して買いに行く。特にカレーパン、コロッケパン、卵サンドイッチは争奪戦が激しい。おじさんは雄英の卒業生でもなければヒーロー科でもない。丸メガネが特徴のふくよかなおじさんだ。昔、どっかで殺し屋を……ではなくて幼稚園の先生を経て引退した後は趣味のパン作りを活かしてパン屋に。偶然その店のパンにハマッた当時の先生が雄英でもパンを卸してほしいと熱願して今に至るらしい。おれも食べた事あるけど美味かった。メロンパン。
米のランチラッシュ、パンの麦太郎おじさん。なんだか某高校生探偵の紹介みたいになったな。
しまった。話がパンにずれてしまった。パンが食べたくなってきた。米派なのに。駅に着いたらコンビニで買おう。
「わかった。洗剤だ。切らしたんだ」
「いや。まだ余裕がある」
「ハズレか。じゃあシャンプー」
「そもそも用は買い物じゃない」
「え。そうなのか。てっきり。じゃあ何だ?誰かに会うんだな」
「紙間」
見上げると夕焼けが始まっていた。
「――好きだ」