残り火
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入学式早々、轟と爆豪が一年生に黄色い歓声をあげられ追いかけられていた。
「中継でAFOとの戦いを見て…」
「体育祭から轟先輩が…」
テレビの力ってすげェな。
追いかけられた二人は戸惑って飯田の後ろに隠れていた。その様子をすっかりA組メンバーとして馴染んだ心操――編入から1日しか経ってない――が爆豪の反応を珍しそうに言った。
「爆豪ってワーキャーされるの好きだと思ってたけど」
「数が多すぎてさすがに困惑してるな」
「警戒する猫ちゃんみてえだな」
一年生にモテモテな二人、特に爆豪に対して上鳴と峰田がヤキモチを妬いていた。
「いいなあ!」
「昔からかっちゃんわりと女性に距離置かれてたから慣れてないのかも。僕、幼馴染みなんだ」
「へー、意外」
「意外じゃねェだろクソが!活躍は認めるが……ヤンキーがモテるのは認められん!」
眉間にシワ寄ってんぞ。
「彼女五人いそうなのにな。ヤンキーなのに実はピュアとかズルくねえか」
「五人もいたら問題だよ」
緑谷が苦笑いでツッコんだ。
彼女といえば、オールマイトは年上の幼馴染み家庭教師 と再会できたんだろうか。全てが終わったら結婚する約束してたっつたし。中学から同じ人を想い続けるなんて女子が好きそうなシチュエーションだ。女だけじゃなく、男でもそういうの素敵でカッケエと思う。今度、会ったらそれとなく聞いてみよう。元々No.1ヒーローの恋愛話とか聞きたい。芦戸とかじゃないが、進展気になる。
“元々”なのはエンデヴァーが引退して元ヒーローになったからだ。
――この戦いが終わったら責任を取るため、ヒーローを引退することを予てより決めていた。これからは遺族や被害者家族のために一生かけて罪を償っていく。
…と今朝のテレビで会見していた。引退したのはエンデヴァーだけじゃなく、ホークスもだ。〝個性〟無くなったから。今はヒーロー公安委員長をやってる。
あとこれに関してはニュースじゃなくて、轟から聞いた話だけど、燈矢さんはかろうじて意識はあるものの、回復の見込みがなく生きてるのが不思議な程の重傷。緩やかに死に向かっていく残された時間で失われた家族の時間を埋めるように過ごしていく。轟は今日も学校が終わったらタルタロスに行くらしい。
緑谷たちと話していたら、追っ掛け一年生ズのうち一人が緑谷に声を掛けてきた。
「あ、あの!緑谷先輩!!見てました!マジで、勇気貰いました!自分もなんかしなきゃ! ってほんと……思ったんです!ありがとうございました!失礼します!」
「良かったなー緑谷!おまえも早速、後輩に慕われてんじゃねえか!」
真っ直ぐな感想に緑谷は遠慮がちな反応をした。こういうの慣れてないもんな。三人ともファンがついてていいなぁと思ってたら、名前を呼ばれた。え?おれにもファンが?参ったなサイン考えておけば良かった。
「紙間先輩!!CM見ました!」
「リップ買いました!」
「体育祭では小学生男児みたいだなって思ってたら、CMではなんか大人っぽくてギャップが最高でした!」
「男子の制服着てるけど、本当に女の子なんですか!」
おわァ、勢いすげえな。これは確かに逃げたくなる気持ち分かるぞ。
つーか、小学生男児とは失礼な!でも大人っぽいと褒めたから許そう。
「お、おう。ありがとな。うんおれは女だ」
ちなみに峰田から女子制服に変えるように促されたけど面倒くせえのであしらった。卒業までは男子制服 でいるつもりだ。自由が売りの雄英だからな!ちゃんと雄英の制服って原形分かればオッケー。
しかし……本当、テレビの力ってすげェな。
▽▼▽
今日から復旧作業だ。
皆で瓦礫の撤去や災害ゴミの分別などをやっていく。
まだ肩が本調子じゃないので〝個性〟でゴリラやゾウの折り紙を出して瓦礫などを運ばせる。うん。火傷が酷かった時は痛くて紙は出せなかったけど今は症状が治まってきてもう平気だ。左太股以外。
おれは爆豪と隅で軽作業。
爆豪はしばらくの間、〝個性〟使用を控えるように医師から言われたらしい。
心臓だけじゃねえ。おれと同じように右腕が動かせない。おれのはしばらくすれば治るけど、爆豪のは形は幾度に渡る手術でなんとか留まってるけどぐちゃぐちゃにされてた事もあって、リカバリーガールの力を以てしても元に戻れない可能性がある。それでもあいつは諦めずにリハビリに励んでいる。やっぱり爆豪だな。
「ヨーッシ!!どんどん持ってきやがれてめーらァ!!」
瓦礫や廃材が詰まった袋を左手で持ち上げて、トラックにどんどん積み上げていく。シオマネキになりそうだ。
「中継でAFOとの戦いを見て…」
「体育祭から轟先輩が…」
テレビの力ってすげェな。
追いかけられた二人は戸惑って飯田の後ろに隠れていた。その様子をすっかりA組メンバーとして馴染んだ心操――編入から1日しか経ってない――が爆豪の反応を珍しそうに言った。
「爆豪ってワーキャーされるの好きだと思ってたけど」
「数が多すぎてさすがに困惑してるな」
「警戒する猫ちゃんみてえだな」
一年生にモテモテな二人、特に爆豪に対して上鳴と峰田がヤキモチを妬いていた。
「いいなあ!」
「昔からかっちゃんわりと女性に距離置かれてたから慣れてないのかも。僕、幼馴染みなんだ」
「へー、意外」
「意外じゃねェだろクソが!活躍は認めるが……ヤンキーがモテるのは認められん!」
眉間にシワ寄ってんぞ。
「彼女五人いそうなのにな。ヤンキーなのに実はピュアとかズルくねえか」
「五人もいたら問題だよ」
緑谷が苦笑いでツッコんだ。
彼女といえば、オールマイトは年上の幼馴染み
“元々”なのはエンデヴァーが引退して元ヒーローになったからだ。
――この戦いが終わったら責任を取るため、ヒーローを引退することを予てより決めていた。これからは遺族や被害者家族のために一生かけて罪を償っていく。
…と今朝のテレビで会見していた。引退したのはエンデヴァーだけじゃなく、ホークスもだ。〝個性〟無くなったから。今はヒーロー公安委員長をやってる。
あとこれに関してはニュースじゃなくて、轟から聞いた話だけど、燈矢さんはかろうじて意識はあるものの、回復の見込みがなく生きてるのが不思議な程の重傷。緩やかに死に向かっていく残された時間で失われた家族の時間を埋めるように過ごしていく。轟は今日も学校が終わったらタルタロスに行くらしい。
緑谷たちと話していたら、追っ掛け一年生ズのうち一人が緑谷に声を掛けてきた。
「あ、あの!緑谷先輩!!見てました!マジで、勇気貰いました!自分もなんかしなきゃ! ってほんと……思ったんです!ありがとうございました!失礼します!」
「良かったなー緑谷!おまえも早速、後輩に慕われてんじゃねえか!」
真っ直ぐな感想に緑谷は遠慮がちな反応をした。こういうの慣れてないもんな。三人ともファンがついてていいなぁと思ってたら、名前を呼ばれた。え?おれにもファンが?参ったなサイン考えておけば良かった。
「紙間先輩!!CM見ました!」
「リップ買いました!」
「体育祭では小学生男児みたいだなって思ってたら、CMではなんか大人っぽくてギャップが最高でした!」
「男子の制服着てるけど、本当に女の子なんですか!」
おわァ、勢いすげえな。これは確かに逃げたくなる気持ち分かるぞ。
つーか、小学生男児とは失礼な!でも大人っぽいと褒めたから許そう。
「お、おう。ありがとな。うんおれは女だ」
ちなみに峰田から女子制服に変えるように促されたけど面倒くせえのであしらった。卒業までは
しかし……本当、テレビの力ってすげェな。
▽▼▽
今日から復旧作業だ。
皆で瓦礫の撤去や災害ゴミの分別などをやっていく。
まだ肩が本調子じゃないので〝個性〟でゴリラやゾウの折り紙を出して瓦礫などを運ばせる。うん。火傷が酷かった時は痛くて紙は出せなかったけど今は症状が治まってきてもう平気だ。左太股以外。
おれは爆豪と隅で軽作業。
爆豪はしばらくの間、〝個性〟使用を控えるように医師から言われたらしい。
心臓だけじゃねえ。おれと同じように右腕が動かせない。おれのはしばらくすれば治るけど、爆豪のは形は幾度に渡る手術でなんとか留まってるけどぐちゃぐちゃにされてた事もあって、リカバリーガールの力を以てしても元に戻れない可能性がある。それでもあいつは諦めずにリハビリに励んでいる。やっぱり爆豪だな。
「ヨーッシ!!どんどん持ってきやがれてめーらァ!!」
瓦礫や廃材が詰まった袋を左手で持ち上げて、トラックにどんどん積み上げていく。シオマネキになりそうだ。