第二次決戦:エピローグ
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「さっきの、ホークスと近すぎないか」
「そうか?」
名前呼びはちょっとビックリしたけど、なんとなくノリで呼んでみた的なもんだろう。
「ホークスの事……好きなのか?」
「おう!好きだ」
「しっ紙間くん!」
「どうした麗日。慌てて」
「ちなみにだけどさ!うちの事は?」
「もちろん好きに決まってる。言わせんなよ恥ずかしい……」
「うっうん!そっか!うちも紙間くんが好きだよ。ホークスに恋とかそんなんちゃうもんね」
「おれはホークスに恋はしてないぞ」
麗日は何をそんなに必死になってるんだ?
「じゃあ紙間くんは障子くんの服拭いてあげて!うち飲み物買ってくるね。二人とも何かいる?」
「いや、おれはいいよ」
「俺もいらない」
麗日は「わかった」と財布を持って病室を後にした。
「さて、脱」「がん」
脱げと言おうとしたら光の速さで遮られた。
「じゃあ着たままで」
ウェットティッシュで障子の服についた涙と鼻水を拭き取っていく。
「通院っつたけど、怪我の具合はどうだ?」
障子はスピナーに腕を何回も斬り落とされて、武器を持った一般人に額と背中を中心に殴られて打撲したらしい。どんなにボッコボコにされても一般人には指ひとつ触れなかったという。
「問題はない。幸い骨折はしてなかったし、順調に回復してきてる」
「良かった。こないだ飯田と口田がお見舞いに来てな、口田から色々聞いたぞ。すげえ痛かっただろ」
「複製腕だから切られても支障はない」
「あのな、複製といっても感覚はあるんだろ?ヒーローやる以上、怪我は避けられんのはまぁ仕方ない。でもよ、おまえはもうちょいでいいから自分を大事にしてくれ」
「ふ。俺よりも重傷人に言われるとはな」
「はははっ、確かに。今のおれじゃ説得力がないな。
……よし、大分だけど落とせた」
顔を上げたら目の前に至近距離に障子がいて思わずビックリしそうになった。そりゃ、当たり前だ。本当まつげ綺麗だな。
「ああ。ありがとう」
障子の手が近づいておれの髪に触れてきた。その温もりに心地よい緊張と苦しさを感じる。
「そっそういえば思い出したんだけどよ、障子あん時すぐにおれだって分かったな?他の皆は二度見三度見でやっと気付くレベルなのにおまえは一発だよ」
戦いが終わって皆を探そうとしてた時に障子は一目見るや否や、すぐにおれだと確言していた。
緑谷と雄英を出てった時だってそうだ。変装してたにも拘わらずおれだと気付いたのも障子だ。
「おまえは見つけんの上手いな」
「何度だって見つけてやるさ。見た目が変わろうとも」
「おいおい嬉しい事言って――」
次の瞬間、おれの言葉は途中で止まった。
障子がマスクを下にずらし、おれの頬(火傷パッドが貼ってない方)に口付けてきたからだ。
――えっ。
ポカンとし、瞬きを繰り返す。
どれくらいそうしてたのか。
頬から唇が離れても、しばらくお互い何も言わない時間がただただ流れていた。
「……じゃあな」
「あっうん」
――え???
▽▼▽
「入院してるおばあちゃんに声かけられて話し込んでたら遅なった!あれっ障子くんもう帰ったん?
……紙間くん?おーい」
「………………………えっ、ああ麗日おかえり。おう、帰ったぜ。ちゃんと鼻水拭きとったし」
「そっかぁ。ところでボーッとしてどうしたの?眠い?」
「麗日は……ほっぺたに……」
「ほっぺた?」
「……ほっぺた………に………可愛いな」
Σ「いきなりどうした!?」
「ほんとにな……」
さっきの出来事が浮かび、身体中が……特にほっぺたが熱くなってきた。ほっぺたに…というよりは口にギリギリ近くなかったか?もし、おれが動いたら多分当たってたかもしれねえ。
「う゛ァァァーーーッ!!!」
「えっ紙間くん大丈夫?どっか痛むの?肩?肋?それとも足?看護士さん呼ぶ?」
「いや平気だ!呼ばなくていい!!ちょっと発狂したくなっただ……ッ痛」
発狂したら右肩と肋に激痛が走った。
心臓がバクバクしてやがるぜ。とんでもねえお見舞いしてくれたな障子よ……!