第二次決戦:エピローグ
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右上腕骨近位端骨折
肋骨に数ヶ所のヒビ
右肩から二の腕までの刺傷
胃酸による全身火傷
で、おれはしばらくの間入院する事になった。
麗日と同じ部屋だ。
「それにしてもトガヒミコが助けたなんてなぁ。ドナー向けだったのか。麗日、体に違和感とかないか?」
麗日曰く
トガヒミコはガワや〝個性〟だけじゃなく血液型までも変える事が出来るのだという。トガヒミコは自らの血を瀕死状態だった麗日に注ぎ込んで命を全うした。
「………………うん。どこもおかしな所はないよ」
「麗日?」
「ん?なぁに?」
「あんまり無理すんなよ」
「大丈夫だよ。うちよりも紙間くんの方が結構重傷でしょ。刺されて肩折られて脳無に呑み込まれて色々大変やったんとちゃう?全身ミイラマンやね」
「いや、おれが言ってるのはそっちじゃなくて…つーか、麗日だって殴られたり腹刺されたりでそっちも重傷だろ」
戦いの後、入院初日から麗日はどこかおかしい。なんだか上の空というか。笑顔の裏にぐっと耐えてるような、そんな感じがするんだ。
「てか、お風呂控えなアカンやって?難儀だね。紙間くんお風呂大好きだから」
火傷レベルは軽~中程度。特に足裏と左の太股に水脹れが出来ていて歩くのもしんどい。症状が落ち着くまではお風呂はシャワーか体を拭くかのどちらかだ。そして足に水脹れがあるため、移動は車椅子。
顔、腕、腹周りは軽度だったのでしばらくすれば治るらしい。
「それ言うなよもう。あえて考えねえようにしてたのに」
「ごめん」
「お風呂に入れるようにバリバリ全快してやるぜ」
看護師さんが麗日を検査に呼びに来たので、おれは送り出した。
一人になった病室で天井をぼんやりと見つめる。
「……おかしいのは、おれもかもなぁ」
塚内さんはじめ警察の人達に夢で会った母親の話を話した。
半信半疑であったが調査の結果、確かに紙間 楮三郎という人がいたのは事実だった。そしておれが産まれる前に亡くなっている事も。
心臓のあたりに左手を置く。
「〽あわてんぼうのサンタクロース…」
季節外れのクリスマスソングを歌う。窓の外は新緑が芽吹いている。
ずっと、おれの傍にいてくれたんだな。
「あ」
いつの間にか、ぼろぼろと涙が出ていた。
麗日が戻ってきたら心配されちまう。泣き止まないと。
拭おうとしたら、掴まれた。
「うらr……しょ……じ?いつの間に。なんでここに」
肋骨に響かないように体を起こす。
「ついさっきだ。通院がてら、紙間達の様子を見に行こうかと。それよりも……擦れば余計腫れてしまう」
「すぐに止め……るから、待って」
だけど涙は意思に反して溢れる。
「……………ッふ、う。母ちゃん……」
「……俺はおまえの母親ではないが……胸くらい貸そう」
おれは障子の胸で泣きじゃくった。
▽▼▽
「落ち着いたか?」
「おう。……なんか、すまんな。……あ、服が……」
障子の服はおれの涙と鼻水でべしゃべしゃで胸元はとんでもねえ事になっていた。
そうだ。
「脱げ」
「「は???」」
ん?もう1つ声がしたぞ。
「あ、麗日おかえり。障子がお見舞いに来てくれたぞ」
「ありがとう……って、待て待て待ていきなり何言うとるん?ここ病院やで!いや、それよりも二人いつの間にそんな…!」
「うーん、いつからだっけ?」
おれと障子っていつから友達なんだろう?明確な時期なんて分かりゃしねえな。入試でちょっと協力してたのが懐かしいな。何年前か?って一年前か。
「麗日の質問と、紙間の答えが噛み合ってないような気がするのだが。俺達はまだそういうのではない」
「……………なん……だと?」
おれら、友達じゃなかったのだと?そういや、おれってば中学まで友達いなかったから作り方とかよく知らん。勝手に認定してたけどあれって相手の許可がいるもんなのか?
「よし。今更ながらおれの名前は紙間 伊織。射手座のO型16歳だ。ヒーローネームはオリガミ。好きなものは温泉と祭り。障子、おれと友達になってほしい」
左手を差し出す。麗日はプハッと吹き出していた。
「そういう意味で言ったんじゃない。俺とおまえは既に友達だ。あと、俺はたこ焼きとイカスミパスタが好きだ」
「! 良かったなーんだおれの杞憂か。たこ焼き好きなのは知ってたけどイカスミパスタ好きなんだな。あれって歯ァ真っ黒なるやつだろ?今度見ていい?笑うから」
もしや、障子はおれともっと仲良くなりたい……つまり大親友に……?嬉しい事言ってくれるな!まぁ正直な話、おれはこいつにこれまでの好きからアップデートして特別な好きを抱き始めた訳なんだけど、友達でも充分楽しいしいっか。