第二次決戦
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ここはどこだ?おれは何をしていたんだ?
確か……ええと……何だっけ……。
ここでじっとアレコレと考えるよりもまずは動いてみようと取り敢えずは歩く事にした。どうやらここは建物の中だ。しばらく歩いているとドアの向こうから歌が聞こえてきた。少し開いていたので、覗き込むと女の人が赤ん坊を抱いていた。
『〽クリスマス前にやってきた』
!! そうだ。この歌は。おれは戦ってる最中だったんだ。まさか、死んだのか?
そんな……。
『〽鳴らしておくれよ鐘を』
でもさっきからなんだろう。女の人の声、どこかで聞いた事あるんだよなぁ。
『具合はどうだい?遥子』
背後にいつの間にか誰かが立っていた事に気付く。更に驚いたのは声の正体。
「オール・フォー・ワン!?」
思わず振り向く。
だがそこにいたのは梅干しでも金○でもない顔のある男性。人違いか?声だけそっくりさん?
「……あの?」
この人、おれに気付いてないのか?目の前にいるのに。目が見えてないとか?
男が歩き出すと、おれが存在してないかのようにすり抜けた。
「えっ」
通形先輩みたいな〝個性〟か?
『あ、先生。わざわざ来てくれたんですか』
『今日はクリスマスだからね。冷えると大変だろうから、プレゼントを用意しておいたよ』
『これは……ブランケットとメリーですね。ありがとうございます。本当にここまでしていただいて何とお礼を申していいか』
待て。今、クリスマスっつた?4月だぞ。
そもそもなんで誰もおれに気付かないんだ?
「………は、は!?」
視界に入ったのはカレンダー。
じゅ…十六年前!?まさか、おれ過去に来ちまったのか?……いや、来たというよりは過去を見ているという表現が合う。その証拠に干渉できない。
じゃあ、男はただの声だけそっくりさんじゃなくてAFO本人?
それに遥子って。
『良かったね伊織。先生から素敵な贈り物だよ』
伊織って。抱いてる赤ん坊って。
『お礼ならそうだね。今後、僕が困っていたら君の力で僕を助けてくれるかい?』
『ええ。私に出来る事なら』
『期待してるよ。それと……この子の〝個性〟が楽しみだ』
そう言って、AFOは赤ん坊のおれに触れようとした。
「やめろ!!」
止めようとするも、すり抜けるし届かないしもどかしい。
『良かったら抱っこしますか?コツを教えます。まず、頭と首を片手でもう片手でお尻を……そうです』
『……軽くて小さいね』
『ふふ。おじいちゃんですよ』
『おじいちゃん?』
『あ、ごめんなさい。つい。失言でしたね』
『構わないさ。おじいちゃんで。実は君にその事を提案しようと思ってたんだ』
『提案…ですか?』
『そうだ、僕達家族にならないか?遥子はお母さんを病気で亡くして、お母さんの友達に引き取られたけどあまりうまくいってないんだろう?』
『うまくいってないというか……ううん微妙かな。霞也人おじさんもくるみさんも優しくしてくれる……けど、くるみさんは情緒不安定な時があって。理由は分かってます。詳細は伏せますが』
『無理には聞かないさ。それにまた同じような事が起こるんじゃないかって不安に感じるんだろう。大丈夫。だから、前向きに検討してほしい』
場面が切り替わる。
二月十五日。
AFOを睨み付ける遥子さん。
『ずっと騙してたの?』
『人聞きが悪いな。そもそも一度も聞かれてないんだから』
『だからって……お父さんが悪い人だったなんて!たくさんの人を殺して奪って……人を…命をなんだと思ってるの?』
知らなかったのか。AFOが敵だって。
『確かに僕は悪い人さ。でも人助けだってしてる。君たち母娘は僕とドクターがいなければ、この子は無事に生まれてないんだぜ?こうやって暖かいご飯や布団にありつくことすら』
『その事は感謝してます。でも、どうして私達を?まさか最初から〝個性〟目当てで…』
『いいや?君が珍しいワープ系だったことはちっとも知らなかったよ。人は親切にされたら、お礼をしてくれるだろう?モノでも行動でも。ああ、君がワープが出来ると知った時は驚いたよ!いい拾い物をしたと嬉しくなったさ!それに生まれたばかりの赤ん坊をここから敵に育てあげる事には前々から興味があってね。施設にはなかなか赤ん坊はいないからね。この子の〝個性〟もお母さんのを引き継いでくれれば万々歳だね』
遥子さんは布団で眠ってる赤ん坊のおれを守るように咄嗟に抱き上げた。