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作戦はこうだ。
心操が〝個性〟で青山の父ちゃんか母ちゃんに洗脳をかけて、頭ン中空っぽにさせてAFOと電話させる。そこには心操の意思も、青山の両親の感情も介入しない。AFOからすれば嘘も何もない言葉だと思って油断する。
そうして何らかの約束を取り付け、待ち合わせ場所に現れたAFOを待機していたヒーロー達が一網打尽。
チャンスはたった一度。失敗は許されない。
「あ!心操、はじめてのヒーロー活動になるじゃねえか!インディーズデビューだ!」
「本当だ!頑張れよ上手くいくように俺らでサポートすっから!」
「何組に入るんだ!?Aか?Bか?」
「AにしろAに!」
「ヒーロー名は!?」
「席は是非おれの隣にしろよー!」
「……明るい」
既にA組だと信じて盛り上がる雰囲気に戸惑う心操。慣れろ。そのうちおまえもこうなるぞ。
現在進級留め置きのため、心操はまだ普通科となっている。仮免許すら取ってない彼がヒーロー活動するのは本来ダメだけど、非常事態だという事で公安の目良さんが特別に活動許可を出してくれた。
「しかし……問題はここからでは?」
常闇がふと浮かんだ疑問を冷静に述べる。
あ。
上手く誘き寄せたとしても、どうやって一網打尽にするかだ。AFOはサーチを持ってるかもしれねえ。数が減ったとはいえ、どこかに身を隠してもバレバレ。居場所を感知できない程、遠くにいたとしてもマッハ20で駆け付けなければいけない。飯田でも流石にマッハ20は無理なんじゃねえか。
「その場にいなればいい」
「その場に……ってダメだ。単純にワープしか思い浮かばねえや」
ワープは回復系と並ぶかなり稀有な〝個性〟で、生まれる確率は三毛猫のオスレベルだ。全国に何万といるヒーロー。辞めた人含めて誰一人としてワープ系はいない。
唯一持ってるのは黒霧だけど、ヤツは敵だしなぁ。元が白雲さんとはいえ既に故人だし。
おれが轟みたいに複合的にドア to ドアの〝
「それだよ。紙間少年。ヒーロー達をAFOの元へワープさせるんだ」
「けど……」
「それに関しては心配いらない。この計画の成功率をあげる鍵は青山少年、心操少年そしてもう一人。彼の力でヒーロー達をワープさせる」
もう一人?誰だ?
▽▼▽
翌日。
死柄木が動き出すまで残り4日。避難民の安全を考えておれ達は雄英を離れることにした。
「みなさん、ありがとうございました!」
わざわざ見送りに来てくれた避難民に全員でお礼する。
「父ちゃん、じーちゃん、ばーちゃん。ありがとう」
「気をつけるのよ」
「必ず無事に帰ってきなさい」
「ちらし寿司とプリン用意して待ってるから」
「楽しみだ。行ってきます!」
皆、家族や友人としばらくのお別れの挨拶を済ませ、おれ達A組は雄英の門を潜ろうとした。
「待って!」
え。この声は。
「良かった。間に合って」
車椅子に乗ったミッドナイトが13号に押されながらおれらの所へやって来た。女子達、特に芦戸が感泣しながら駆け寄る。
「体は大丈夫っすか?」
「ええ。でも…」
脊髄損傷による下半身不随。今後ヒーロー活動は適わないそうだ。
「ヒーロー ミッドナイトは引退するわ」
皆もショックを隠せない。
「お…おれがもっと早く来れたらこんな事には……!」
「そんなに自分を責めないで。私ね、あの時意識が遠退く瞬間にあなたの折り鶴が見えたの。それに朧気にだけどピンキー、烈怒頼雄斗、シュガーマン、クリエティの声もちゃんと聞こえていたわ。あなた達の助けが無かったら私は今頃、生きてここにはいないわ。それに…」
ミッドナイトは飯田を見た。
「貴方のお兄さんを見倣って、私も歩けるようになるまでリハビリ頑張るわ。ヒーローは引退するけど、教師は続けるつもりよ。私の授業を受けたいなら必ず全員生きて帰ってね。約束よ」
ミッドナイトが小指を差し出す。
おれ達は威勢よく
「「「「「はい!!!」」」」」
と返事をし、小指を差し出した。