さらば雄英
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風呂上がり、腰に手を当てて牛乳をぐいっと飲み干す。
「ッだーーー!!」
やっぱり風呂上がりといやぁ、これだろ!
「オッサンかよ」
「おれはまだオッサンじゃねえぞ瀬呂!ピチピチの16だ!せめてあと40年後ぐらい経ってから言え!」
「まだも何も紙間は一生かかってもオッサンにはなれないと思うよ。なるとしたらおばちゃん?」
緑谷たちも風呂を済ませたようで皆、共同スペースに集まりだした。皆といっても麗日含む何人かは既に部屋へと寝に戻った。心配でなかなか眠れない日々を送ってたみたい。
「皆、ありがとう。そして迷惑かけてごめん」
「おれも。連絡止めてた事とかもなんか色々と心配かけたな」
「そだよー。言ってよねー」
事も無げに言う芦戸を皮切りに、皆から心配や労いや質問などの言葉がおれと緑谷へ向けられてくる。
つーか、よく聞き分けたら常闇だけがおれらへの文句じゃなくてホークス向け。
皆が各々と談義してるのをぼんやりとしながら眺める。なんか、いいな。こういうの。帰ってきたって感じだ。
うつらうつらと船を漕ぎ始めたおれに隣のヤオモモが
「紙間さんそろそろ寝ますか?一緒に私の部屋へ行きましょうか」
と呼び掛けるが断った。
「んァ……もうちょい……ここで……皆の……声と……匂いを……」
静かな所よりも、雑音がある所の方が何故か眠れるという謎現象。ノイズの種類によっては眠れやすさが異なるらしい。自然とか家電とか。音楽聴きながら寝る人とかいるしな。
おれの場合は人の声。特に聞きなれた声音に安心する。
眠くて会話に交ざれなくて置いてけぼりにされて寂しさはあるのに、不思議とその寂しさが心地よくて温かくて好きだ。
身体の力が抜け落ちていく。ゆらりと落ちて、頬に柔らかいものが当たった。
「あーらら、寝ちゃったよ」
耳郎が八百万の膝の上で寝落ちした伊織の頬をプラグで軽くつついた。
八百万は突然の膝枕に一瞬驚いたものの、母性なのか姉性なのかは分からないがすやすやと眠る伊織が可愛いので撫でる事にした。
その様子を峰田が羨ましそうに見ていた。
「どうする?どうやって連れてく?」
「そうですね……」
女子の中だと運べる力があるのは唯一、無重力の麗日だが既に夢の中だ。わざわざ起こすのも忍びない。
「てか、緑谷は眠くねェのか?」
轟が濡れた髪をタオルで拭きながら聞くその姿はさながらシャンプーのCMだ。
その仕草を峰田が早速真似する。瀬呂に感想を求めると「停学」という酷評が返ってきた。
「大丈夫……っていうかまだ眠れなくて」
そんな二人の茶番を他所に緑谷は轟の質問に返す。
「なんで」
「オールマイトに、酷い事して……そのままなんだ」
第二刺客を倒したあの日、差し出されたトンカツ弁当を受け取らずに置き去りにしてしまった事を謝りたいと思っていた。
「だけど……連絡がつかなくて……」
轟の視線は緑谷ではなくて、別の場所を見ていた。指した方は窓。お分かり頂けただろうか。暗闇の中、窓にへばりついてこちらの様子を伺うオールマイトがぼんやりと浮かんでいるのが。
まるで不審者かホラーである。中にいた何人かが思わず叫んだ。
寮の中に入るや否や、オールマイトは緑谷に勢いよく謝罪。
「こちらこそ、力になれずすまなかった緑谷少年、紙間しょ……あ、寝ちゃったの?」
「起こしましょうか?」
八百万が聞く。
「いや、いいよ」
(それにしても……寝顔だと見れば見るほどよーちゃんに似てるな。似てるだけで、血縁関係があるかどうかはまだ不明確。紙間少年の実の両親について何か進展掴めればいいけど)
伊織の寝顔に少し感じる懐かしさを頭の片隅に置いて、再び緑谷に向かい合った。
「緑谷少年、私は君をサポートすると言っておきながら結果何も出来なかった」
「そんな……!オールマイトは十分力になってくれてます!」
「謝るなら私たちにも謝ってヨネ、オールマイト!黙ってどっかに行っちゃわないでよー!」
芦戸が軽く諌める。
オールマイトはそれを静かに聞き、黙考した後、徐に口を開いた。
「決戦の日は恐らくもうすぐそこだ」
「!?」
「ッだーーー!!」
やっぱり風呂上がりといやぁ、これだろ!
「オッサンかよ」
「おれはまだオッサンじゃねえぞ瀬呂!ピチピチの16だ!せめてあと40年後ぐらい経ってから言え!」
「まだも何も紙間は一生かかってもオッサンにはなれないと思うよ。なるとしたらおばちゃん?」
緑谷たちも風呂を済ませたようで皆、共同スペースに集まりだした。皆といっても麗日含む何人かは既に部屋へと寝に戻った。心配でなかなか眠れない日々を送ってたみたい。
「皆、ありがとう。そして迷惑かけてごめん」
「おれも。連絡止めてた事とかもなんか色々と心配かけたな」
「そだよー。言ってよねー」
事も無げに言う芦戸を皮切りに、皆から心配や労いや質問などの言葉がおれと緑谷へ向けられてくる。
つーか、よく聞き分けたら常闇だけがおれらへの文句じゃなくてホークス向け。
皆が各々と談義してるのをぼんやりとしながら眺める。なんか、いいな。こういうの。帰ってきたって感じだ。
うつらうつらと船を漕ぎ始めたおれに隣のヤオモモが
「紙間さんそろそろ寝ますか?一緒に私の部屋へ行きましょうか」
と呼び掛けるが断った。
「んァ……もうちょい……ここで……皆の……声と……匂いを……」
静かな所よりも、雑音がある所の方が何故か眠れるという謎現象。ノイズの種類によっては眠れやすさが異なるらしい。自然とか家電とか。音楽聴きながら寝る人とかいるしな。
おれの場合は人の声。特に聞きなれた声音に安心する。
眠くて会話に交ざれなくて置いてけぼりにされて寂しさはあるのに、不思議とその寂しさが心地よくて温かくて好きだ。
身体の力が抜け落ちていく。ゆらりと落ちて、頬に柔らかいものが当たった。
「あーらら、寝ちゃったよ」
耳郎が八百万の膝の上で寝落ちした伊織の頬をプラグで軽くつついた。
八百万は突然の膝枕に一瞬驚いたものの、母性なのか姉性なのかは分からないがすやすやと眠る伊織が可愛いので撫でる事にした。
その様子を峰田が羨ましそうに見ていた。
「どうする?どうやって連れてく?」
「そうですね……」
女子の中だと運べる力があるのは唯一、無重力の麗日だが既に夢の中だ。わざわざ起こすのも忍びない。
「てか、緑谷は眠くねェのか?」
轟が濡れた髪をタオルで拭きながら聞くその姿はさながらシャンプーのCMだ。
その仕草を峰田が早速真似する。瀬呂に感想を求めると「停学」という酷評が返ってきた。
「大丈夫……っていうかまだ眠れなくて」
そんな二人の茶番を他所に緑谷は轟の質問に返す。
「なんで」
「オールマイトに、酷い事して……そのままなんだ」
第二刺客を倒したあの日、差し出されたトンカツ弁当を受け取らずに置き去りにしてしまった事を謝りたいと思っていた。
「だけど……連絡がつかなくて……」
轟の視線は緑谷ではなくて、別の場所を見ていた。指した方は窓。お分かり頂けただろうか。暗闇の中、窓にへばりついてこちらの様子を伺うオールマイトがぼんやりと浮かんでいるのが。
まるで不審者かホラーである。中にいた何人かが思わず叫んだ。
寮の中に入るや否や、オールマイトは緑谷に勢いよく謝罪。
「こちらこそ、力になれずすまなかった緑谷少年、紙間しょ……あ、寝ちゃったの?」
「起こしましょうか?」
八百万が聞く。
「いや、いいよ」
(それにしても……寝顔だと見れば見るほどよーちゃんに似てるな。似てるだけで、血縁関係があるかどうかはまだ不明確。紙間少年の実の両親について何か進展掴めればいいけど)
伊織の寝顔に少し感じる懐かしさを頭の片隅に置いて、再び緑谷に向かい合った。
「緑谷少年、私は君をサポートすると言っておきながら結果何も出来なかった」
「そんな……!オールマイトは十分力になってくれてます!」
「謝るなら私たちにも謝ってヨネ、オールマイト!黙ってどっかに行っちゃわないでよー!」
芦戸が軽く諌める。
オールマイトはそれを静かに聞き、黙考した後、徐に口を開いた。
「決戦の日は恐らくもうすぐそこだ」
「!?」