レモンセントの約束
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勤め先からアパートに帰る途中、菜月は立ち眩みを起こした。ここ最近、こういうのがよくあるのだ。よほど失恋と裏切りのダブルパンチがショックだったのだろう。
『ううう…』
立っていられないほどの目眩でよろけそうになる。
『おっと、大丈夫かい?』
『……う……すみません……貴女は?』
▼▽▼
俊典は時折、お腹を摩ったり誰かを捜している菜月が気になり聞いた。
『ああ、うん。ちょっとね、最近色んな事が起こって情報整理を』
『……………もしかして元カレさんと後輩さんの件で?』
菜月は今でも戸井の会社で働いている。生活には何かとお金が必要なのだ。それに転職するにしても〝無個性〟だとなかなか難しいのだ。それを感じさせない突出した才能や資格がない限りは。
俊典は以前
「仕事辞めた方がいいのでは」
と一度アドバイスをしたが、菜月は
「大人はそんな簡単にはいかない」
ときっぱり返された。
俊典はまだ子供で菜月は大人だ。
『それもあるけど……………私、あの会社辞めることにしたんだ』
『新しい仕事見つかったの?』
『うん。パン屋の。面接の時、店長ご夫妻が〝個性〟が無くても構わないって』
詳しく聞けばなんと菜月は身籠っていた。霞也人の子供だ。目眩の原因は妊娠によるホルモンバランスの変化によるものだった。貧血もあった。
面接で妊娠中だと正直に話したら、パン屋の店長ご夫妻は、嫌な顔ひとつせず 「じゃあ身体に負担がかからないような作業を任せておくわね」 と宣った。
俊典は菜月がようやく転職した事に安心したが、妊娠にはやきもちした。だけど、そんなことよりも菜月とお腹の子は幸せになるべきだと思った。
『元カレさんには』
『言ってないし言うつもりもない。私一人でこの子育てる。幸い貯金はあるけどいけるまでは働こうかなって』
『ぼ、僕も働くよ』
『君は中学生でしょ。その気持ちだけで十分嬉しいよ』
俊典はふてくされた。
彼はまだ14歳の子供である。
『あ、でもひとつ手伝ってほしい事が』
『何?力仕事でもなんでも任せて』
『あるヒーローを捜してほしくて』
なんでも仕事帰りに具合が悪くなった時に助けてもらったのだという。
『お礼が言いたいんだけどさ、なかなか見つかんなくて』
『特徴とかないのか?』
菜月はぼんやりとだが覚えている特徴をいくつかあげていく。
――黒のハーフアップに口元にホクロのある精悍な顔立ちのした綺麗な人。年は30代くらい。
▽▼▽
見つけたのは偶然だった。
ある日、学校の帰り道中に暴れる敵を見掛けた俊典は巻き込まれた人を救けようと咄嗟に立ち向かうが敵わず。
そこにパトロール中のヒーローがたった一人で巻き込まれた人を救けながら敵を倒した。
『その棒きれ一本で勝つつもりだったのか?』
それが志村 菜奈との出会いだった。
おまけにそのヒーローは先日、菜月を助けた人でもあった。
『この前は救けていただきありがとうございました!』
『わざわざお礼なんて律儀だね。ヒーローとして人救けは当然の事さ。ところで、あんたら姉弟か?』
『幼馴染みだけど姉弟みたいなものです。ねっ俊ちゃん』
『あっ……ああ……』
菜月に同意を求められた俊典は何かを飲み込んだように曖昧な表情を浮かべた。
『…………! さて、私はパトロールに戻るよ』
『はいっありがとうございます!これから応援してます』
志村は白いマントを靡かせて飛んでいった。
『かっこいい……すごく素敵な人だったね!』
『そうだね!僕もあんな風になれたら…!』
菜月は志村 菜奈のファンになった。
『ううう…』
立っていられないほどの目眩でよろけそうになる。
『おっと、大丈夫かい?』
『……う……すみません……貴女は?』
▼▽▼
俊典は時折、お腹を摩ったり誰かを捜している菜月が気になり聞いた。
『ああ、うん。ちょっとね、最近色んな事が起こって情報整理を』
『……………もしかして元カレさんと後輩さんの件で?』
菜月は今でも戸井の会社で働いている。生活には何かとお金が必要なのだ。それに転職するにしても〝無個性〟だとなかなか難しいのだ。それを感じさせない突出した才能や資格がない限りは。
俊典は以前
「仕事辞めた方がいいのでは」
と一度アドバイスをしたが、菜月は
「大人はそんな簡単にはいかない」
ときっぱり返された。
俊典はまだ子供で菜月は大人だ。
『それもあるけど……………私、あの会社辞めることにしたんだ』
『新しい仕事見つかったの?』
『うん。パン屋の。面接の時、店長ご夫妻が〝個性〟が無くても構わないって』
詳しく聞けばなんと菜月は身籠っていた。霞也人の子供だ。目眩の原因は妊娠によるホルモンバランスの変化によるものだった。貧血もあった。
面接で妊娠中だと正直に話したら、パン屋の店長ご夫妻は、嫌な顔ひとつせず 「じゃあ身体に負担がかからないような作業を任せておくわね」 と宣った。
俊典は菜月がようやく転職した事に安心したが、妊娠にはやきもちした。だけど、そんなことよりも菜月とお腹の子は幸せになるべきだと思った。
『元カレさんには』
『言ってないし言うつもりもない。私一人でこの子育てる。幸い貯金はあるけどいけるまでは働こうかなって』
『ぼ、僕も働くよ』
『君は中学生でしょ。その気持ちだけで十分嬉しいよ』
俊典はふてくされた。
彼はまだ14歳の子供である。
『あ、でもひとつ手伝ってほしい事が』
『何?力仕事でもなんでも任せて』
『あるヒーローを捜してほしくて』
なんでも仕事帰りに具合が悪くなった時に助けてもらったのだという。
『お礼が言いたいんだけどさ、なかなか見つかんなくて』
『特徴とかないのか?』
菜月はぼんやりとだが覚えている特徴をいくつかあげていく。
――黒のハーフアップに口元にホクロのある精悍な顔立ちのした綺麗な人。年は30代くらい。
▽▼▽
見つけたのは偶然だった。
ある日、学校の帰り道中に暴れる敵を見掛けた俊典は巻き込まれた人を救けようと咄嗟に立ち向かうが敵わず。
そこにパトロール中のヒーローがたった一人で巻き込まれた人を救けながら敵を倒した。
『その棒きれ一本で勝つつもりだったのか?』
それが志村 菜奈との出会いだった。
おまけにそのヒーローは先日、菜月を助けた人でもあった。
『この前は救けていただきありがとうございました!』
『わざわざお礼なんて律儀だね。ヒーローとして人救けは当然の事さ。ところで、あんたら姉弟か?』
『幼馴染みだけど姉弟みたいなものです。ねっ俊ちゃん』
『あっ……ああ……』
菜月に同意を求められた俊典は何かを飲み込んだように曖昧な表情を浮かべた。
『…………! さて、私はパトロールに戻るよ』
『はいっありがとうございます!これから応援してます』
志村は白いマントを靡かせて飛んでいった。
『かっこいい……すごく素敵な人だったね!』
『そうだね!僕もあんな風になれたら…!』
菜月は志村 菜奈のファンになった。