ヒーローズ:ライジング
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14時頃からパトロールを始めて現在18時20分。冬なのであたりはすっかり暗くなってきた。
すると爆豪のピスポケットのスマホが鳴った。爆豪はそれを手にすることも見ることもなく、 「おい、帰ンぞ」 と荒々しく宣い、ズンズンと前を歩いて行った。
事務所への道すがらでカレー、焼き魚、お好み焼き……食欲がそそられる匂いがあちこちの民家の換気扇から漂う。腹の虫が激しく鳴る。
「今日のメシなんだろうな。おれ、めっちゃおかわりするかも」
▼▽▼
「ん?」
電気が付いてるハズの事務所は真っ暗だった。皆、いないのか?でも気配はする。
まさか…………泥棒か?
火事や災害などに便乗して物盗りや詐欺をする輩がいる。つい最近まで敵に襲撃されたんだ。あるいは敵の残党がまだ残っていたり。もしかして事務所が襲撃に?
「……………まさか!」
おれは昨日見たテレビの宇宙人アンドUFO目撃体験特集に引っ張られ、とち狂った発想になってしまった。
「爆豪、大変だ!皆が宇宙人に拐われたかもしれねェ!」
「「「「「ブフォッ」」」」」
「ん?」
真っ暗だった室内が突然明るくなった。
「うわっ」
明順応で慣れた目を開けると、ニコニコ顔の皆が揃っていた。手には何故かクラッカー。
「誕生日おめでとう~!!」
同時にクラッカーから破裂音とともに紙吹雪が放たれる。
「………………???」
「あ、気付いてないっぽい。紙間、今日は何月何日?」
「……………え?12月16日だけどそれがなn………………ああーーーッ!!」
おれの、誕生日だ。
といってもおれは拾われっ子だ。父ちゃんに拾われたのが2月16日。
拾った日を誕生日とするらしいが何故、父ちゃんがおれの誕生日を2月じゃなくて12月にしたのか。それは拾った時に書き置きがあったのだ。
――[そだててください 紙間 伊織 1216]
最初父ちゃんは1216の意味は分からなかったそうだ。だけど生まれて2ヶ月ぐらいだと医者に言われたときに、父ちゃんはもしかしたらこの1216は誕生日かもしれないと思った。だからおれは12月生まれになった。これで実は誕生日じゃなくて1216号だったらビックリだぜ。ヒーローじゃなくて怪盗オリガミになってしまう。
「あっ、最近皆がどこかよそよそしかったのって」
「ごめん。なんか変な雰囲気にしちゃって」
謝る緑谷。
「特に緑谷とか上鳴あたりがやたらチラチラ見てくるのが気になってた」
「ウェ!?まじで?」
「告白でもされるのかと思ったぞ。すまねえ二人とも、気持ちは嬉しいがおれは年上が好きなんだ」
「ちょっと!?俺、女の子好きだからね!」
「違うよ!?違わないけど、えっと紙間くんは好きだけどそういう変な好きじゃないから」
その言い方だとますます怪しく聞こえるぞ緑谷。
今朝、冷蔵庫を開けてもらえなかったのはケーキの材料が入っていたからであり、パトロールの時間が長引いたのは飾り付けの準備とか色々あったからだ。
「ちらし寿司だー!!」
「紙間、好きだろ?」
「おう!好きだ!!唐揚げもある。あ、アジの刺身だ!食べたかったんだよな。これも砂藤が?」
アジの刺身に気づいたおれに砂藤が言う。
「いや。このアジは安栗 さんからいただいたんだぜ。切島が爆豪から連絡きて、アジ受け取ってこいって」
安栗さんはパトロール中に釣りをしていたおっちゃんだ。
あの時、爆豪が忘れ物したってのは。
「爆豪ー!いいやつだなおまえ!」
嬉しさのあまり、爆豪に抱き付く。
「あ!?離れろやてめェ」
「よっしゃチューしたる!誕生日だから特別だ」
「やめろ………!」
爆豪の頬に唇を寄せそうしたら、いやそうに押し退けてきた。
それを見て 「ネコチャンかよwww」 と笑う皆。
くだらない攻防を繰り広げていると、身体が宙に浮いた。
「おわ?あ、障子」
なんかデジャヴ。これ、楽しいな。
抱えられたまま、椅子に座らされた。目の前のご馳走に誕生日パーティーだったことを思い出した。
砂藤がフルーツたっぷりのケーキを持ってきた。ケーキの真ん中にはチョコレートで 【紙間くん誕生日おめでとう】 と書かれたプレートが乗っていた。
1と6のナンバーキャンドルに火が灯される。
「うわぁ…………ありがとう皆。すげェ嬉しいよ」
友達いなかったから今まで誕生日のお祝いしてくれるのは専ら父ちゃんだった。
「吹き消す時に心の中で願い事をするのよ」
梅雨ちゃんに促され、スウッと息を吸い込む。
「よろしくお願いしまァァァァッス!!」
「新年の挨拶かよ」
「願い事どこいった」
「サマーならぬウインターウォーズ?」
誰かエンターキー持ってこい!
父ちゃんからも [誕生日おめでとう伊織。学校は楽しいか?] のメッセージが届いて、お返しに [ありがとう。楽しいぞ!] と皆で撮った写真を何枚か送った。
すると爆豪のピスポケットのスマホが鳴った。爆豪はそれを手にすることも見ることもなく、 「おい、帰ンぞ」 と荒々しく宣い、ズンズンと前を歩いて行った。
事務所への道すがらでカレー、焼き魚、お好み焼き……食欲がそそられる匂いがあちこちの民家の換気扇から漂う。腹の虫が激しく鳴る。
「今日のメシなんだろうな。おれ、めっちゃおかわりするかも」
▼▽▼
「ん?」
電気が付いてるハズの事務所は真っ暗だった。皆、いないのか?でも気配はする。
まさか…………泥棒か?
火事や災害などに便乗して物盗りや詐欺をする輩がいる。つい最近まで敵に襲撃されたんだ。あるいは敵の残党がまだ残っていたり。もしかして事務所が襲撃に?
「……………まさか!」
おれは昨日見たテレビの宇宙人アンドUFO目撃体験特集に引っ張られ、とち狂った発想になってしまった。
「爆豪、大変だ!皆が宇宙人に拐われたかもしれねェ!」
「「「「「ブフォッ」」」」」
「ん?」
真っ暗だった室内が突然明るくなった。
「うわっ」
明順応で慣れた目を開けると、ニコニコ顔の皆が揃っていた。手には何故かクラッカー。
「誕生日おめでとう~!!」
同時にクラッカーから破裂音とともに紙吹雪が放たれる。
「………………???」
「あ、気付いてないっぽい。紙間、今日は何月何日?」
「……………え?12月16日だけどそれがなn………………ああーーーッ!!」
おれの、誕生日だ。
といってもおれは拾われっ子だ。父ちゃんに拾われたのが2月16日。
拾った日を誕生日とするらしいが何故、父ちゃんがおれの誕生日を2月じゃなくて12月にしたのか。それは拾った時に書き置きがあったのだ。
――[そだててください 紙間 伊織 1216]
最初父ちゃんは1216の意味は分からなかったそうだ。だけど生まれて2ヶ月ぐらいだと医者に言われたときに、父ちゃんはもしかしたらこの1216は誕生日かもしれないと思った。だからおれは12月生まれになった。これで実は誕生日じゃなくて1216号だったらビックリだぜ。ヒーローじゃなくて怪盗オリガミになってしまう。
「あっ、最近皆がどこかよそよそしかったのって」
「ごめん。なんか変な雰囲気にしちゃって」
謝る緑谷。
「特に緑谷とか上鳴あたりがやたらチラチラ見てくるのが気になってた」
「ウェ!?まじで?」
「告白でもされるのかと思ったぞ。すまねえ二人とも、気持ちは嬉しいがおれは年上が好きなんだ」
「ちょっと!?俺、女の子好きだからね!」
「違うよ!?違わないけど、えっと紙間くんは好きだけどそういう変な好きじゃないから」
その言い方だとますます怪しく聞こえるぞ緑谷。
今朝、冷蔵庫を開けてもらえなかったのはケーキの材料が入っていたからであり、パトロールの時間が長引いたのは飾り付けの準備とか色々あったからだ。
「ちらし寿司だー!!」
「紙間、好きだろ?」
「おう!好きだ!!唐揚げもある。あ、アジの刺身だ!食べたかったんだよな。これも砂藤が?」
アジの刺身に気づいたおれに砂藤が言う。
「いや。このアジは
安栗さんはパトロール中に釣りをしていたおっちゃんだ。
あの時、爆豪が忘れ物したってのは。
「爆豪ー!いいやつだなおまえ!」
嬉しさのあまり、爆豪に抱き付く。
「あ!?離れろやてめェ」
「よっしゃチューしたる!誕生日だから特別だ」
「やめろ………!」
爆豪の頬に唇を寄せそうしたら、いやそうに押し退けてきた。
それを見て 「ネコチャンかよwww」 と笑う皆。
くだらない攻防を繰り広げていると、身体が宙に浮いた。
「おわ?あ、障子」
なんかデジャヴ。これ、楽しいな。
抱えられたまま、椅子に座らされた。目の前のご馳走に誕生日パーティーだったことを思い出した。
砂藤がフルーツたっぷりのケーキを持ってきた。ケーキの真ん中にはチョコレートで 【紙間くん誕生日おめでとう】 と書かれたプレートが乗っていた。
1と6のナンバーキャンドルに火が灯される。
「うわぁ…………ありがとう皆。すげェ嬉しいよ」
友達いなかったから今まで誕生日のお祝いしてくれるのは専ら父ちゃんだった。
「吹き消す時に心の中で願い事をするのよ」
梅雨ちゃんに促され、スウッと息を吸い込む。
「よろしくお願いしまァァァァッス!!」
「新年の挨拶かよ」
「願い事どこいった」
「サマーならぬウインターウォーズ?」
誰かエンターキー持ってこい!
父ちゃんからも [誕生日おめでとう伊織。学校は楽しいか?] のメッセージが届いて、お返しに [ありがとう。楽しいぞ!] と皆で撮った写真を何枚か送った。