守る場所
指名変更
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土井side
渡り廊下の陰。
日差しを避けるように壁に寄りかかりながら、土井半助は視線だけをそっと外に向けた。
ちょうど、訓練場から戻ってきた二人の姿が見えた。
優花さんと利吉くん
その並び方に、何の違和感もない。
声は届かないが、利吉が何か言って、優花がふっと笑ったのが見えた。
柔らかく、自然に。
まるで、長く並んできた者同士のような――そんな空気が、確かにそこにあった。
(……)
土井は、小さく息を吐いた。
手にしていた書類が、いつの間にかしわくちゃになっていたことに気づく。
それを直すことなく、彼はただ視線を戻す。
(よかったじゃないか。あんなふうに笑えるなら……)
そう思ったはずだった。
なのに、胸の内で何かが小さく軋む。
(あれほど、誰かの傍でいてくれればいいと……そう願ったのに)
願ったのは本当だった。
彼女が一人で苦しまなくて済むなら、それでいいと思っていた。
なのに、あんなふうに“自然に”誰かと並ぶ姿を目にした途端、
胸のどこかがざわついて、妙に落ち着かなくなっている。
(……利吉くんもあんな顔をするなんてな)
優花にだけ向けるような、やわらかい笑顔。
昔、彼が子どもだったころに見た無垢な瞳が、大人の男の目になっていた。
それが――思った以上に、癇に障った。
「……何やってんだ、私は」
苦笑交じりに呟いたが、どこか喉の奥が渇いたままだった。
(おかしいな。こんなふうに胸が騒ぐなんて)
優花が笑っていた。それが嬉しいはずなのに。
どこか、胸の奥にぽつんと影が落ちるようだった。
目を伏せる。
風が、二人の笑い声だけを残して通り過ぎていった。