守る場所
指名変更
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夕暮れの校舎。
授業を終えて職員室から出て歩き始める。
咲の背後で、戸がそっと開いた。
「……咲先生」
聞き慣れた、けれどいつもより少し低い声。
振り返ると、土井半助がこちらを見ていた。
どこか言いたいことがありそうで、けれど言葉を探しているような顔だった。
「少し……いいですか。場所を変えましょう」
静かな廊下を抜け、渡り廊下の奥へ。
誰もいない空間に、夕日と二人分の影だけが落ちていた。
「授業、見ていました。……みんな、あなたを信じていましたね」
「……そう見えましたか?」
「ええ。確かに、そう見えました」
そこまでは、いつも通り。
でも、次の言葉は違った。土井は一拍置いて、まっすぐに言った。
「……でも、あなたの顔が、少し危うく見えた」
咲は、目を見開いた。
「無理に強くいようとしているように見えたんです。昨日の件もあって、きっと……自分を責めているんじゃないですか」
図星だった。
「昨日のことであなたが責任を抱える必要はありません」
「土井先生……」
「…あなたが無事だったこと、心から安心したんです。生徒ももちろん大切です。でも、あなたも同じくらい、大切な同僚ですから」
その言葉に、咲の胸が熱くなる。
そんなふうに、まっすぐ言われると思っていなかった。
「抱えすぎて潰れてしまうくらいなら…誰かに預けてください」
土井の瞳は静かだった。けれど、明らかに揺らぎも熱もあった。
「私に頼ってください」
その一言が、咲の心にしみ入る。
誰にも言えなかった恐怖も、後悔も、ひなを失った痛みも――
この言葉に、ようやく少しだけ、重みが溶けていくようだった。
「……ありがとうございます」
やっと出た声は、震えていた。
「……私は、味方ですから」
そう言って、土井はふっと優しく笑った。
夕日の中、二人の影は、少しだけ重なっていた。