守る場所
指名変更
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敵の気配が完全に消え、周囲に再び静けさが戻ったとき、咲はまだ震える指先に気づいていなかった。
「……大丈夫ですか?」
土井の声に振り返ると、すでに一人ひとりの無事を確かめ、軽傷の処置も済ませた後だった。
くノたまたちは、まだ緊張の余韻を残しつつも、必死に気丈に振る舞っていた。
だが、その頬にはうっすらと涙の跡があり、小さな体は寒さでも恐怖でもない震えを見せている。
「皆、無事……です。かすり傷程度で済みました」
彼女の肩を一度だけ軽く叩いた。
「よく、守りました」
その言葉が、胸の奥に重く響いた。
「守れて……いない。あんな目に……あわせたのは私です。それに…殺そうとした。」
「……咲先生」
咲は地面に膝をつくようにしゃがみ、うつむいた。戦いの緊張が抜けたせいか、呼吸が浅くなる。土井が近づき、彼女のそばに膝をついた。
「私が油断したから。……子どもたちが狙われたのは、私がここにいたからです」
その瞬間、土井には、彼女の言葉の裏にある重みがはっきりと見えた。
“また、自分の存在が誰かを傷つけた”──彼女の心は、過去の痛みと共に、その記憶を繰り返していた。
「……それでも、あなたがいなければ、もっと酷いことになっていたはずです。」
咲は顔を上げないまま、何も返さなかった。
風が吹いた。落ち葉が一枚、そっと彼女の膝の上に舞い降りる。
「罪を背負っている者にしか、守れないものもあります……あなたなら立てます。」
土井の声は、あくまで穏やかだった。
咲の指が、わずかに土を握り締めた。
──不思議と冷えた胸の奥に温度が戻っていくのを感じた。
そのとき、後方でシナ先生がくノ一たちを優しく呼ぶ声が聞こえた。
「そろそろ学園に戻りましょう。しっかり歩けるかしら?」
「は、はい……!」
少女たちが立ち上がり、互いを支え合いながら歩き出す。
咲はゆっくりと立ち上がった。
その背中を、土井は静かに見守っていた。