守る場所
指名変更
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林の奥へと子どもたちが駆けていく。
その背を守るように立ちはだかった咲の目が、次の敵の動きを捉えた。
(……来る)
刹那、左手側の茂みが揺れた。風を切る音。反射的に身を低くし、飛び込んできた刃を回避。地を蹴って距離を詰め、肘で相手の脇腹を打つ。空気を切る鈍い音とともに、黒装束の忍が苦悶の息を漏らした。
(殺しに来ている……)
敵の動きは、訓練されたものだった。迷いも、容赦もない。咲の身体が、研ぎ澄まされていく。
「……ッ!」
背後の気配に振り向くと、別の影が襲い掛かってくる。咲はすかさず苦無を投げ、足を引きながら後方の敵を牽制した。しかしその隙に、最初の忍が再び距離を詰めてくる。
ガンッ。
刃と刃がぶつかり合い、火花が散る。
(……このままじゃ不利)
体術に切り替え、相手の肩口に足を掛けて体を翻す。背後に回り、首元に刃を当て──殺そうとする
「やめておけ!」
静けさを破る、鋭い声が響いた。
一瞬力が緩んだ隙に相手は私から距離をとる。
木々の間から現れたのは、土井半助だった。右手にはチョーク、左手には出席簿が握られていた。足取りは静かで、目は鋭い。
「……土井先生」
「子どもたちは?」
咲は小さく頷いた。
「加勢する。」
土井が前に出た瞬間、敵は二人、別方向に分かれて走り出す。
「待って!」
咲は苦無を構え、即座に追おうとする。
「やめろ!」
その腕を、土井の手が強く掴んだ。
「今は追うな。……追えば、奴らの罠に嵌るかもしれない」
「でも……!」
「君が戻らなかったら、子どもたちはどうなる」
その一言に、咲は息を呑んだ。
林の奥。子どもたちが逃げていった方角を見つめる。おシゲの怯えた瞳、ユキの揺れるリボン。トモミが肩を張って周囲を守ろうとした姿。
(──守るって、こういうことか)
苦無をそっと下ろす。
土井は掴んでいた手を放し、少しだけ息を吐いた。
「……助かったよ。子供達を守ってくれてありがとう。」
咲は何も言わず、ただ一度だけ小さく頷いた。
林に、再び風が吹いた。
それは、嵐の後の、ほんのわずかな静けさだった。