守る場所
指名変更
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山の裾野に広がる林の中、陽光が木漏れ日となって斑模様を描いていた。
くノ一教室の野外実習。
今日の訓練は痕跡の観察と、午後の対人想定訓練。咲の指導のもと、生徒たちは生き生きと動いていた。
「よーし、今日もがんばるわよ!」
ユキがピンクのリボンを揺らしながら張り切って声を上げる。トモミが静かに頷き、おシゲも笑みを浮かべながらその後をついていく。
にぎやかで、楽しげで、それでも緊張感は保たれている。子どもたちの姿に、咲はふと目を細めた。
(……守りたいもの…かぁ…)
だがその瞬間、空気の流れが変わった。
風が凪いだ。鳥の鳴き声が止まり、木々が奇妙な静寂に包まれる。
(……いる)
咲はさりげなく足音を消し、生徒の間を巡るふりをしながら周囲の気配を探る。
微かに踏みしめる土の感触が違う──その一帯だけ、不自然な沈みがある。
(このまま、子どもたちを巻き込むわけにはいかない)
手の中で苦無を逆手に構え、目だけでユキとトモミに指示を出す。ふたりはすぐに察し、周囲の仲間に合図を送った。
そのとき。
「ッ……!」
枝の間から飛び出してきた黒い影。動きは素早く、標的は──おシゲ。
「下がって!」
咲の声と共に苦無が飛ぶ。金属音と共に影の手にしていた刃が弾かれた。
(一人……いや、もう一人いる)
二手に分かれて襲撃してきたのは、素性の知れない忍び。目的も見えない。ただ、くノ一の実習を狙うその動きに、明確な“悪意”があった。
「あなたたちは林の北側へ避難。二人一組で」
「先生は……?」
「大丈夫、すぐに行く」
震える声で返してきたおシゲの髪をそっと撫で、咲は微笑みを浮かべた。
──それでも、この笑顔が、子どもたちにとって恐怖の記憶にならないように。